全米OP準々決勝を左脚の負傷で途中棄権…ディミトロフが胸中を語る「それも含めて試合だし、前を向かなければ」<SMASH>
現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルスで途中棄権によりベスト4進出を逃したグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/世界9位)が、準々決勝敗退後の記者会見で無念の心境を語った。 【動画】ディミトロフが無念の棄権。ティアフォーとの全米OP準々決勝ハイライト 今年1月のブリスベン国際(ATP250)で約6年ぶりのツアー優勝を飾り、3月には約5年半ぶりにトップ10に復帰した33歳のディミトロフ。第9シードで出場した今大会はキリアン・ジャケ(フランス/209位)、リンキー・ヒジカタ(オーストラリア/62位)、タロン・フリークスポール(オランダ/40位)をいずれもストレートで破ると、4回戦では第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/6位)にフルセットで競り勝ち、2019年大会以来の8強入りを決めていた。 準々決勝では22年全米でベスト4を経験しているフランシス・ティアフォー(アメリカ/20位)と対戦。ディミトロフにとっては過去3勝1敗と好相性の相手だったが、序盤からティアフォーの攻撃的なプレーに苦戦しセットダウン。それでも第2セットは1-4から巻き返してタイブレークに持ち込み、これを取り切ってセットオールとした。 そんな彼を悲劇が襲ったのは1ブレークのリードを許して迎えた第3セット第8ゲームのことだ。突如左脚の痛みを訴えると、満足に動けないまま第9ゲームでサービスダウンしてセットカウント1-2に。セット間の治療を経てプレーを続行したディミトロフだったが、以降はサービスを打つのもままならず、第2ゲームでブレークを献上。ティアフォーが第5ゲームをキープしたところで途中棄権を申し入れ、3時間4分で敗退となった。 実はディミトロフは7月のウインブルドン3回戦でも左ヒザの負傷により途中リタイアを余儀なくされていたが、今回のケガは同じ部位ではない上に、原因をピンポイントで特定することも難しいという。会見では「様々な要素が重なってケガにつながったと思う」とコメント。「今は結果を簡単には受け入れられない」と苦しい胸の内を明かしつつ、前向きな言葉をこう絞り出した。 「明らかに回復のプロセスは以前よりも少し遅くなっている。試合前も(身体に)違和感があった。だから今そのことについて色々と話すのは、本当に無意味だと思う。そういうのも含めて試合だし、前を向かなければならない。さっき言ったように、変えられそうな部分を少し見直す必要がある。準備の仕方や、体力面でももう少し改善できる点があるかもしれない。」 「それでもモントリオールから今大会までの全ての状況は、ここまでうまくいくとは思っていなかった。そう考えると、準々決勝進出という結果は受け入れられる。一方でフランシスが見せたプレーも軽視したくない。彼もまた僕をかなり追い込んで、僕に多大な努力を課す状況に持っていった。彼を十分に称賛すべきなのは間違いない。僕は前に進もうと思う」 シーズン終盤で疲労も蓄積している中、若手に負けじと結果を出しただけでも大いに評価されるべきだろう。何よりもディミトロフのケガが深刻でないことを祈るばかりだ。 文●中村光佑
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