元西武の牧田和久がパドレスと2年4億4000万円で契約合意
ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指していた元西武の“サブマリン”牧田和久投手(33)がサンディエゴ・パドレスと契約合意に達した。敏腕記者のジョン・ヘイマンがツイッターで一報を報じたもの。契約は2年で年俸は400万ドル(約4億4000万円)。パドレスは、当初、大谷翔平を狙っていたが、エンゼルスにさらわれたため、中継ぎ強化のため、メジャーでは数少ないサブマリンに照準を変えた。 牧田は、2010年にドラフト2位で日本通運から西武に入団、プロ入りが26歳と遅かったため、まだ海外FA資格を得ておらず、今回西武の同意を得てポスティング申請されていた。すでに渡米してパドレスのメディカルチェックも受けていた。 牧田は、2011年に新人王を獲得、これまで921回1/3を投げ、防御率は2.83で、2016年に中継ぎに配置転換されてからは、141回1/3を投げ、防御率はわずか1.95と打たれていない。昨季も58試合に投げ3勝3敗28ホールド、防御率2.30という抜群の安定感があり、そこをパドレスに評価された。 牧田は昨春のWBCでも侍ジャパンのストッパーとして結果を残し、パドレスのスカウトも、その独特のフォームと浮き上がるボールに注目していた。侍ジャパンの権藤投手コーチが、「メジャー相手に通用する」と太鼓判を押していた“サブマリン”が、いよいよメジャーに上陸することになった。 パドレスの監督は元日ハムでプレーした経験のあるA・グリーンで、プレラーGMら“日本通”のスタッフが多く、元ドジャースの野茂英雄氏、斎藤隆氏らもフロントスタッフに名前を連ねるなど、日本人選手が溶け込みやすい環境にある。 米国のストーブニュースに特化したサイトの「トレード・ルーマー」によると、「牧田は、パドレスのブラッド・ハンド、カービー・イエーツ、フィル・マトンらしかいない層の薄い救援投手陣に加わることになる。牧田の加入は昨季の大リーグで救援投手防御率が24位、チーム勝利貢献を数字化したWARで29位だった中継ぎ投手陣の改善につながる。2017年の平均投球回数が5回1/3を上回る程度だった先発投手陣にも良いニュースだ」という。 大リーグでは、アンダースローの変則投手は貴重で、過去には、ホワイトソックスなどで高津臣吾(現在、ヤクルト2軍監督)が活躍、また韓国のアンダーハンドの金炳賢も、ストッパーとしてダイヤモンドバックスなどで存在感を見せたことがある。見慣れないフォームの投手に対してタイミングを合わせることは、どうしても困難で、特にフルスイングタイプの打者は苦しむ傾向にあるため、中継ぎ強化へ大きな期待が寄せられている。