角田裕毅、ローソン、選択肢は他にも……レッドブルがペレス後任に起用すべきドライバーとは? F1ライター陣が斬る
ペレスの代わりは……ペレス?
レッドブルは運に見放されたスランプのドライバーを起用し続けるべきだと本気で言っているのか? と言われるかもしれない。この質問にはイエスと答えるが、少し待って欲しい。その理由を説明しよう。 モータースポーツは感情で動かないスポーツだ。特にカフェインたっぷりで漠然とした風味の缶飲料メーカーが所属するドライバーに関しては特にそうだ。 ホーナー代表やマルコは、ドライバーを“使い捨て”のように扱ってきたのは事実だ。苦境に立たされたドライバーを支援するのではなく、ほんのわずかなトラブルがあっただけで即座に契約を解除する。クビアト、ハイメ・アルグエルスアリ、セバスチャン・ブエミ、ニック・デ・フリーズ、ジャン-エリック・ベルニュ、ガスリー、アルボン、セバスチャン・ブルデーなどに聞いてみるといい。そこに感情の要素はない。 ペレスは昨年も同じようにシーズン中に調子を崩した。以前から言われているのは、シーズン中の開発でマシンがペレス向きではなくなってしまったこと、対フェルスタッペンで自信を失ったこと、星占い、寝起きの悪さ……などだが、レッドブルもペレスも原因を十分に理解できていないのは明らかだ。 ただこれはレッドブル側の失態でもある。ペレスが2023年の荒波を乗り切るのを今年になっても助けられず、今になって見捨てることを検討しているのだ。 ペレスはドライバーとしては、それほど悪くない。もちろん、1994年から1995年にかけてのミハエル・シューマッハーとそのチームメイトたち以来、フィニッシュ時のチームメイト間の平均ギャップが最大になっているのは確かだ。 昨年末、ペレスはなんとか立て直したのだから、今年も復調は可能なはずだ。しかし何かが再びスランプを作り出している。そしてレッドブルは解決策を見つけるよりも、ペレスの採寸結果を”葬儀屋”に渡すことに忙殺されている。 レッドブルは今年初め、ペレスを落ち着かせるために契約延長に踏み切ったようだが、効果はなかった。つまり、チームはこの問題を根本から間違えており、少なくともシーズン末まで彼を見守る責任がある。 再びペレスの心に火を付けられず、パフォーマンスを引き出す方法を両者が見つけられなければ、決別の時が来るかもしれない……しかし現時点では、レッドブルがペレスの調子を取り戻すために全力を尽くしたとは思えない。つまり、解雇する理由はないのだ。レースでの取り組み方を見れば、それをやり遂げたとは思えない。(Jake Boxall-Legge)
motorsport.com