自主トレを公開した丸は、マシン相手に黙々と打ち込んだ

　巨人・丸佳浩外野手（３５）が７日、Ｇ球場で自主トレを公開した。球団の移籍加入選手で最多の在籍通算安打をマークした村田修一の７６５まで残り２本で「それだけお世話になっている。何とか日本一を」と加入後初の悲願へ決意。今オフから「腸活」に取り組んでいることを明かし、１８年目のシーズンへ体調管理も万全だ。あと１５８本に迫る通算２０００安打も射程圏。今年の一文字に「挑」と記した“Ｇ史上最強”のＦＡ戦士が、日本一奪回へ導く。 　新たな自分を追い求めるように、丸は黙々と快音を響かせた。午前９時３０分、Ｇ球場の室内練習場に野手一番乗り。新品の赤い革手袋をはめ、２本のバットを試しながらマシンを相手に９４スイングを重ねた。昨季は出場１３８試合で打率２割７分８厘、１４本塁打、４５打点。１番打者として新境地を開いても「満足している数字は一つもない。若い選手を使ってもいいんじゃないかぐらいの成績だったので、もっといいものを出していけたら」と目を鋭くした。 　金字塔が目前に迫る。１９年に入団した巨人で積み上げたヒットは７６３本。球団のＦＡ加入選手最多となる村田修一の７６５安打まで残り２本だ。「最初、セーフティー（バント）を３回やろうかな」と冗談めかした背番号８。小笠原道大（７４５安打）、清原和博（７２０安打）ら名だたる強打者が並ぶ中“Ｇ史上最強ＦＡ戦士”の称号を手にしようとしている。 　巨人入りから６年連続で１００試合以上に出場。ベテランの域に入っても長期離脱は少なく、安定した打撃と堅守で貢献し続けてきた。「それだけお世話になっているということ。なんとか日本一をとりたい。それ（記録）を聞いてなおさら思いました」と、広島時代を含めてまだ見ぬ頂点へ決意を新たにした。 　１８年目のシーズンを前に新たな取り組みも始めている。今オフから「血圧が高かったので」と、食物繊維を多く摂取して消化をよくする「腸活」を開始。苦手だった野菜やキノコをふんだんに使ったサラダを食事の最初に口にしている。当初は野球につなげる意図はなかったというが「筋肉量が落ちずに体脂肪が減っている」と想像以上の効果を実感している。 　丸に触発され、岡本も腸活を開始。後輩が手作りしたというキノコ料理の画像を見せられた丸は「自分で作ったら愛（いと）おしく見えてきたと言ってました」と笑顔で明かした。主砲とともに内側からも体を整え、全試合出場を目指す今季への準備を進めていく。 　４月に３６歳を迎える年男。一周期前の１３年には初タイトルとなる盗塁王を獲得し、縁起のいい１年を迎える。今年のテーマとなる漢字一文字は「挑」と色紙にしたため「昨シーズンの自分を超える挑戦をしたい。僕も含めて誰も王者の気持ちでいないと思う。チャレンジャー精神で挑んでいければ」と誓った。（内田　拓希） ◆丸に聞く◆ 　―２０００安打まで残り１５８本。 　「僕の中ではすごい先っていう感じなので。本当に全然、一つもちらついてない。（プロ入り当時は）達成するチャンスすらイメージできていなかったので。すごい世界の人たちっていうイメージがあります」 　―若手の突き上げは物足りないか。 　「いやそんな上から言うつもりもないです。去年の序盤は萩尾が頑張ってたし、終盤はオコエ、浅野も活躍してましたし。お互いが高め合っていければ一番いい。僕も若手から刺激をもらいながら一つでもいいもの出せればなと思います」 　―年男。 　「この年になってくると同世代の選手も少なくなってきますし。なんとか自分で自分にムチ入れて頑張るしかない。２月の段階でしっかりとアピールできればいい」 ◇丸の達成可能な記録　 　達成記録　　（達成者）　残り ２０００試合　（５６人）１２８ ２０００安打　（５５人）１５８ ３５０二塁打　（４７人）　１６ ３００本塁打　（４５人）　１７ １０００打点　（４９人）　８２ ２００盗塁　　（７９人）　１７