【もやし】生でも食べられる?栄養はあるの?調理のコツは?管理栄養士がもやしにまつわるギモンに回答
手軽に手早く調理のできるもやしは、食卓に登場する頻度も高いのではないでしょうか。海外のお店では生で出されることもあるもやしですが、生で食べられる?の疑問も。もやしをおいしく食べるポイントと合わせてお伝えします。 <写真>【もやし】生でも食べられる?栄養はあるの?調理のコツは?管理栄養士がもやしにまつわるギモンに回答 ■もやしってそもそも何?栄養はないって本当? もやしは、豆や種子などの胚芽を発芽させたものを総称したものですが、主にはブラックマッペと呼ばれる黒豆を原料としているブラックマッペもやしや、緑豆もやし、大豆もやしなどがあります。そして、発芽するときに豆や種子のもつ本来の栄養素に加えて、発芽・成長しながら異なる栄養成分が増えたり新たに発生したりすることがもやしの大きな特徴のひとつです。ビタミンCをはじめとしたビタミン・ミネラル、アミノ酸のアスパラギン酸、食物繊維などが手軽に補え、エネルギーが低いため、ダイエット食にもたびたび利用されています。 ■もやしって生で食べられる? 日本食品標準成分表2020年版によると、発芽野菜類のビタミンCはゆでると概ね19%、油炒めは概ね57%にまで減ってしまうとされています。そのため、もやしは生で食べた方がよいと思われるかもしれませんが、日本においては、もやしは加熱して食べるように呼びかけられています。海外ではもやしを生で食べる食文化もあるため、一部の外食店でもやしが生で提供されることもありますが、日本と海外では衛生基準が異なり、日本国内では、日本の食文化に合わせて、加熱調理することを前提として生産されています。もやしは加熱して食べるようにしましょう。 ■もやしを上手においしく調理するポイント もやしは出荷前に清浄な水で洗浄されているため、基本的には調理前の水洗いは必要ありません。洗いたい場合でも、栄養素が水で流れるのを防ぐため、さっと手早くがポイントです。 ■■もやしのおいしいゆで方 ゆで方はもやしの種類や太さによって異なります。緑豆もやしやブラックマッペもやしは、サラダ油を大さじ1と塩ひとつまみを入れたたっぷりのお湯にもやしを入れて、再沸騰してからさらに15秒ほどゆでるとシャキシャキした食感に。大豆もやしは、水からゆで、沸騰してからさらに1~5分ゆでます。ゆで時間は豆の大きさや太さによって加減しましょう。ゆでた後に冷ます場合は、水にさらすのではなく、水気をよく切りバットに広げて熱をとると水っぽくなりにくいです。 ■■もやしのおいしい炒め方 炒め方も、もやしの種類や太さによって異なりますが、低温で長時間炒めると水分が出て水っぽくなってしまいます。緑豆もやしやブラックマッペもやしを炒める場合は、もやしにサラダ油をなじませ、よく熱した鉄鍋やフライパンで手早く炒めると歯ごたえ良く仕上がります。大豆もやしを炒める場合は、下ゆでしてから炒めるのがおすすめです。 もやしは調理の仕方によって印象の変わる食材の一つです。加熱調理のコツをつかんで、よりおいしくいただきたいですね! 参照: ・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・「色の野菜の栄養事典」(X-Knowledge) ・「野菜の収穫・保存・料理」(西東社) ・もやし生産者協会 (moyashi.or.jp) ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 Instagram:@tsukiko_shoku_mind blog:管理栄養士 大槻万須美♪楽しく食べて健康に♪ 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)