モデルボクサー引退騒動の真相とは?
すでにTHE PAGEに会見を引用して記事を配信したが、引退騒動を起こしていたモデルで東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者でもある高野人母美(28、協栄)が27日、都内の協栄ジムで金平桂一郎会長(50)と並んで記者会見を行い、次の試合を最後に現役引退するとしていた発言を撤回、一連の騒動を謝罪した。6月6日に後楽園ホールで予定されていた元韓国女子バンタム級王者、李恵林とのノンタイトル6回戦は中止とされ、代わりに同日に2ラウンドのエキジビジョンマッチが組まれた(相手は未定)。 会見の内容とこれまでの経緯は、既報した記事を参考にしてもらいたいが、なぜ、高野は引退発言を行い、なぜ金平会長が、ツイッターを使い試合中止を宣言するほど激怒して大騒動に発展したのだろう。 高野は、この日「私が甘かった」「プロの自覚がなかった」と繰り返したが、そもそも18日の引退発言は、メディア向きのリップサービスの意味が濃かった。試合の前日計量で様々な仰天パフォーマンスで驚かせてくれるが、通常会見でもスポーツ紙の見出しになるような高野流のリップサービスも恒例だった。たいていの場合、金平会長や事務所の人間を巻き込んで、事前に話題性のあるネタを仕込むのだが、今回は金平会長が海外出張中だったこともあってその打ち合わせができず、しかも、ボクサーにとって“辞める”“グローブを吊るす”の言葉が、いかに重要な意味を持つかを高野が理解していなかった。 本人は「前々から思っていた。もうやっていくのは無理じゃないかなと。減量のプレッシャーもある。突然、思いついたわけではない」とも説明したが、そこまでの決意と覚悟の上での発言ではなかった。 「世界戦に負けて、その後、気持ちが落ち込み、不安があり、安定してない状態だった」とも言うから、世界戦前のように精神が不安定な状況も手伝ったのかもしれない。彼女が、どういう狙いをもって引退をリップサービスとしたかは不明だが、ここまで大変な発言として捉えられるとは思ってもみなかったのである。 引退すると言って、撤回を繰り返すのなら、それはまるで大仁田厚に代表されるようなプロレスラーである。“引退詐欺”と呼ばれてもおかしくない。今回のリップサービスは、ネタの選び方が間違っていたにもかかわらず、事前相談をしなかったため、遠くタイで事態を知った金平会長の怒りを買い、数多くのスポンサーから仕事をもらっている芸能事務所側が、説明や対応に追われるようなはめになったのである。