モデルボクサー引退騒動の真相とは?
金平会長は、「ボクシングにリスペクトのない人間をリングには上げない」と語った。彼女の光の当たらない女子ボクシングをPRしようと心がけるリップサービスを含めたエンターテイメントには、頭が下がる思いもあるが、ボクシングの尊厳をないがしろにしたパフォーマンスだけは、ギリギリやってはならない一線なのだ。おそらく事前に金平会長が、引退発言を聞いていれば、止めていただろう。 24日に持たれた3時間に及ぶ両者の会談では、金平会長は、プロボクサーの守らねばならない心得を説いた。そこには、練習、トレーニングというボクサーとしての原理原則の話もあったという。 高野の芸能人としての価値は、やはり美人プロアスリートであることにある。しかも、まったく歯が立たなかったとはいえ、世界戦のリングに上がれるほどの本気度も売りである。その大きな付加価値が引退してなくなってしまっては、商品価値は下がる。そのことは、高野自身が一番理解している。引退発言がリップサービスで済まなかったことに慌てて引退を撤回したのも、当然とはいえば当然である。それもまたプロらしい決断である。 いずれにしろネットを騒がせた今回の引退騒動には品がなかった。 ほんの少しのファイトマネーを手にして殴られ、汗にまみれ、ひたむきに最強を目指している全国のプロ女子ボクサーや女子ボクシングの本質を、プロレスまがいの行動で傷つけてしまったことは、おおいに反省しなければならないだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)