【2025箱根駅伝展望】前田監督が「国学院史上最強」と評するチーム、悲願初V&3冠つかむか、それとも青学大&駒大が立ちはだかるか
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝、10区間217・1キロ)が1月2、3日に行われる。大学駅伝3冠(出雲、全日本、箱根)に王手をかけている国学院大は史上6校目の偉業達成に向け、初の総合優勝を目指す。出雲と全日本で2位の駒大、3位の青学大とともに”3強”と呼ばれるこの3校が優勝争いの主役になりそうだ。節目の第100回大会から次の100年へつなぐ箱根駅伝が、もうすぐ幕を開ける。 今シーズンの出雲、全日本を制してここまで2冠の国学院大。2001年の初出場から18度目の箱根路で、初の総合優勝に挑戦する。前田康弘監督(46)は「数年前はうちが優勝候補になるなんてほとんどの皆さんが考えたことがないと思う。それが現実的になっている」と自信を持って臨む。 今季のチームはエース力、チーム力ともにハイレベル。絶対的エースは、主将も務める平林清澄(4年・美方)だ。昨年2月の大阪マラソンで2時間6分18秒の初マラソン日本最高記録で優勝し、駅伝シーズンも大活躍。他大学のエースとの直接対決で、出雲は最終6区区間賞で5年ぶり2度目の優勝テープを切り、全日本は7区区間2位で初優勝に貢献した。 チームは前田監督が「国学院史上最強」と自負する選手層の厚さを誇る。出雲は野中恒亨(2年・浜松工)と上原琉翔(3年・北山)、全日本は野中と山本歩夢(4年・自由ケ丘)が区間賞を獲得。主要区間の間の「つなぎ区間」で勢いをつけ、後半区間で首位に立てたことが勝因になった。 箱根初優勝に立ちはだかるのは駒大と青学大の2校を中心に、出雲と全日本で4位の創価大、エントリー選手上位10人の1万メートル平均タイムがトップの中大と強敵がそろう。前回王者の青学大が3区から独走態勢に入ったように、往路に主力選手を投入する先行逃げ切りが定石。しかし「復路に人材を置けるのが強み。復路のどこかで先頭に立ちたい」と独自の勝ちパターンを築くプランだ。 出雲で初優勝した19年度、20年1月の箱根では、大学最高成績の総合3位に入った。前田監督が「しびれた」と男泣きしたレースから5年。国学院大の歴史を、再び塗り替える挑戦が始まる。 ◇青学大・原晋監督、箱根未経験の鶴川をエースに指名 2015年の初優勝以降、10年間で7度の優勝を誇る青学大。今季は出雲と全日本で国学院大、駒大に先着を許したが、得意の箱根には自信を持って臨む。前回の2区・黒田朝日(3年・玉野光南)、3区・太田蒼生(4年・大牟田)と連続区間賞で独走態勢を築いた両選手が今年のチームに残るが、原晋監督(57)がエースに指名したのは箱根未経験の鶴川正也(4年・九州学院)。今季の出雲1区と全日本2区で区間賞を獲得した新戦力は「どの区間でも区間新記録を出したい」と最初で最後の箱根路で、連覇への貢献を誓った。 ◇駒大・篠原倖太朗、「逆に今回は全部持っていく」昨年の雪辱誓う 2番で終わるわけにはいかない。前回の箱根から今季の出雲、全日本と全て2位の駒大。昨季は出雲と全日本を制して3冠を狙った箱根で青学大に大差で敗れた。エースで主将の篠原倖太朗(4年・富里)は「箱根で勝つしかない。前回は箱根で全部持っていかれたので、逆に今回は全部持っていく」と気合十分。全日本は2区までに16位と出遅れたが、終盤の7区・篠原、8区・山川拓馬(3年・上伊那農)の連続区間賞で国学院大の背後に迫る地力を見せた。2年ぶりの王座奪還を目指す今年こそ、藤色のたすきを先頭で運ぶ。
中日スポーツ