「自治体は出動要請するだけ」「責任はすべて猟友会」…ベテランのクマ撃ちが訴える、市民の生命を守らない国と警察の罪深さ
クマの目撃情報が各地で続出し、人的被害が次々と出た2024年は、害獣駆除を巡って猟友会と自治体との軋轢が顕在化した年でもあった。ヒグマが相次いで出没した北海道では、両者の関係が悪化したというニュースが報じられた。 【写真】頭部に命中した3発でようやく…最凶ヒグマ「OSO18」“最期の瞬間”! 5月15日には秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山林で、タケノコ採りの最中に佐藤宏さん(64歳)が行方不明になり、その3日後の18日、人喰いグマに襲われた佐藤さんの遺体が見つかった。この事件では、遺体の搬送作業中に警察官2名がクマに襲われ重傷を負う惨事まで起きてしまっている。 前の記事『「警察の中に山やクマの習性に詳しい者がいない」「後方に陣取るだけ」…猟友会のハンターが明かす、「クマ被害は人災」と言えるワケ』につづき、地元猟友会の中でも数少ないベテランのクマ撃ちが匿名を条件に、その腹の内を明かしてくれた。 以下、彼の証言である。
植林された杉林を住処とするクマたち
クマが増える原因は、天敵がおらず、山に餌が豊富にあることです。ところが昨今の建材価格の上昇やバイオマス用のチップの需要が上がり、いたるところで大規模な伐採が進んでいます。 夏の終わりから冬眠までの主な餌は、ブナの実、そしてドングリです。それらを食べてクマは効率よく脂肪をつけます。その餌になる広葉樹をどんどん切り倒してしまっているのです。 山の開発は山を荒らします。切り出した材を運ぶ道をつくると、狭くなった縄張りに複数のクマが居座ることになり、より怒りやすく神経質になります。大湯の現場がまさにそうでした。 秋田県は歴史的に天然杉の産地でした。それらを伐採し県産品として出荷をし続けたために、やがて天然杉はごくわずかになり、大半が杉の人工林になっています。 秋田県は国内でも随一の人工林の面積を誇っているそうですが、逆を言うとクマの餌となるブナやナラなどの木々が少なくなっているのです。出荷できない広葉樹は大事にされていないのです。 問題なのは、植林されたその杉林を住処にしているクマが多いということなのです。
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