いわゆる『マダニ媒介ウイルス』奈良で過去初の患者確認 どんな症状?重症熱性血小板減少症候群(SFTS)致死率は6.3%~30%
マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)。致死率は6.3%~30%程度と言われるウイルス感染症に、奈良県で、過去はじめての陽性患者が確認されました。 【画像を見る】マダニにネッタイシマカ、害虫に注意せよ…まだら模様のカツオブシムシも
◆全国ではことし59件が確認
奈良県によりますと今月4日、80歳代の女性が悪寒や嘔気などで病院を受診、その後症状が悪化して別の医療機関に救急搬送され、入院して治療を受けているということです。 女性は吉野保健所の管内(県南部で山地を多く含む地域)に住み、症状にSFTSとの類似点があったことから、県保健研究センターでPCR検査を行ったところ、きのう(13日)陽性が確認されたということです。奈良県では初めての確認となりました。全国では今年59件が確認されています。 ただし、この女性にはマダニによる刺し傷は見つかっていないといい、感染経路は不明です。
◆マダニ感染症とは「有効な薬やワクチンなし」
奈良県などによりますと、SFTSウイルスに感染することで引き起こされる病気で、主にそのウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。 潜伏期間は6~14日。症状としては以下のようなものがあります。 ・発熱 ・食欲低下、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状 ・頭痛や筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状 ・皮下出血や下血などの出血症状 ・血小板減少、白血球減少、血液酵素上昇などの血液所見 また、致死率は6.3%~30%程度とされていますが、現時点において有効な薬剤やワクチンはないということです。
◆マダニに咬まれないために!もし咬まれたら?
マダニは、森林や草地などの屋外に生息し、全国的に分布しています。家庭に生息するダニとは別の種類です。 春から秋にかけて活動が活発になるということで、屋外で遊ぶ機会や山登りなどのシーズンは特に注意が必要です。 草むら、やぶなどに入る際は、長袖や長ズボン、帽子や手袋などを着用して、首にタオルを巻くなど、肌の露出を少なくすることが大事です。 また、万一マダニに咬まれたら、無理に引き抜こうとせず、医療機関などで処置してもらうようにしてください。