カルビー、海外の生産能力増強 来期は北米と中国に注力
カルビーの江原信社長兼CEOは11月22日、取材に応じ2025年4月からの来期重点施策として、国内は引き続きブランド強化を図り、海外は生産能力を増強して北米での利益改善と中国市場での復活に集中することを明らかにした。 北米では、現地生産体制を整備して、高まるポテトチップス需要に対応していく。 このほど、2019年10月にグループ入りした米スナック菓子メーカーのウォーナック・フード・プロダクツ(現Calbee America, Inc.)でカルビー製品の生産を開始した。
江原社長は「これまでMadera工場は主にPB・OEM生産の工場であった。以前より我々は香港やタイ、日本からカルビー製品を米国へ輸出していたが、その一部をMadera工場で生産することになる。この売上規模が最近非常に伸び一定規模に達することから、10月にポテトチップスの生産ラインが完成してまさに製造が始まったところ」と説明する。 豆を原料とした「Harvest Snaps(ハーベストスナップス)」の販売で得たリレーションと⽇本品質への信頼性を活⽤して⽇本発ブランドの拡⼤を推進していく。 「今までMadera工場では、生産の8割を占める『ハーベストスナップス』が比較的順調に伸びている一方で、残りの2割のPB・OEM生産の稼働があまり上がらず若干利益の足を引っ張っている状況。カルビー製品を製造できるようになった今、営業利益の改善が期待できる」と語る。
中国では、昨年11月に日本からの輸出がストップしてビジネスが揺らいだことを受けて現地OEM生産に踏み切る。 2024年5月、中国で現地製造した「Jagabee」の中国国内での販売を開始した。「日本と同じ品質のものを、日本からの輸出品よりも、少しお手頃な価格で販売している」という。