絶対に巻き込まれてはいけない!「幸せ」になれず「歪んだ幸せ」を求める人の理不尽な言動
「なぜこんな意地悪をするのか?」と思ってしまう理不尽な振る舞いをする人の心理の根幹には、「幸せになりたい」という気持ちがある。ただ、それが「歪んだ幸せ」であるのだとか。人々が求めてしまう、歪んだ幸せにつながる5つの要素とは。本稿は、宮口幸治『歪んだ幸せを求める人たち:ケーキの切れない非行少年たち3』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 自分に意地悪する人の動機を 理解することで寛容になれる あの人はどうしてそんなに意地悪なことをしてくるのだろう。いつも陰で人の悪口や愚痴を言っている。すぐにマウントを取りたがる。自分が正しいと思って人の意見に耳を貸さない。ちょっとしたことでも怒る。態度が大きい。本当に性格が悪い……。そう感じる人たちが、みなさんの周りにいないでしょうか。 このような人が近くにいたら付き合いたくないでしょうし、もし同じ学校や職場にいて毎日顔を合わせないといけなかったり、最悪上司だったりしたら、毎日が憂鬱になることは想像に難くありません。それをきっかけに鬱病になる人だっているでしょう。 近年ではSNSを使って匿名で容易にコメントを投稿できますから、本人の目の前では言えないことを、陰口のような書き込みで全世界にばらまいている人もいます。そんな卑怯なやり方に憤りを感じている方もおられるでしょう。 でもその人たちは、どうしてそんな意地悪なことをするのでしょうか。育った家庭環境がよくなかったのか、何かへの劣等感をもっているのか、地位や権威が欲しいのか、お金が欲しいのか、愛情が欲しいのか……と、理不尽な振る舞いの理由を考えた経験のある方もおられるかも知れません。
意地悪なことをしてくる理由が分かると、こちらの気分も少し楽になります。例えば、何か不幸なことがあった、家族とうまくいっていなくて毎日辛い思いをしていた、仕事で大きな失敗をしてしまった、重い病気にかかっていた、といった理由で余裕がなくなり周りに当たっていたのだと分かれば、少しは寛容になろうと思えるかも知れません。 そこで、そういった理由の背景をもう少し広げて見てみると、その人たちには、“どうして自分だけが”といった怒りが渦巻いていたり、誰かに対する強烈な嫉妬心をもっていたり、自分を愛する気持ちが強すぎたり、異常な所有欲をもっていたり、常識とはかけ離れた固定観念をもっていたり、大きく判断を誤っていたり、といった生きづらさや苦悩があるのが分かります。 ● 幸せを追求しすぎて 他人を不幸にするなかれ ではなぜその人はそういった生きづらさや苦悩を抱え込んでいるのか。その本質の背景にあるものは何なのか。そういった人たちにも、そうでない人たちにも共通していることは何なのか。私はずっとそれを考えてきました。そして「これこそが」と私が強く確信したのが、 「みんな幸せになりたい」 という思いなのです。