全米OPテニスの「ハニーデュース」が象徴、スポーツイベントと飲酒文化の密接な関係
他のイベントにも「特別な1杯」が存在
単なるカクテルから全米オープンのシンボルへと進化したハニーデュースについて、バーンズはこう語っている。 「ベーシックなウォッカとレモネードだけでも十分ですが、それではこのカクテルのようにインパクトがあるものにはなりません」 「シャンボールを加えることで生まれる鮮やかなピンクが、カクテルを記憶に残るものにしています。わずかな量のリキュールが、完全に異なるドリンク、まったく異なる体験を生み出しているのです」 同様にスポーツイベントと切り離せないアルコール飲料は、ほかにもある。ウィンブルドン選手権の「ピムズカップ」(リキュールのピムスを使用したカクテル)、ケンタッキーダービーの「ウッドフォードリザーブ」(バーボンウィスキー)などが、その例だ。 バーンズは、それぞれのイベントにこうしたドリンクが与える影響からみても、飲酒文化がスポーツの体験に貢献していることは明らかだと話している。 ハニーデュースはニューヨークをはじめ、全米の各地にあるレストランのさまざまなカクテルレシピに加えられ、さらにそれぞれの独自の解釈に基づいた新たなカクテルを生み出している。大会の開催期間ではなくても、いつでもどんな場所でも自分で作ることができる「キット」も発売されている。 モートンは、単に「全米オープンならでは」のカクテルだったハニーデュースが文化的アイコンとされるようになったことについて、「言い表す言葉も見つかりません」と誇らしげに語っている。
Rachel King