予備の救急車使い「新型コロナ特別救急搬送専属隊」を発足 奈良・生駒市消防本部
予備の救急車使い「新型コロナ特別救急搬送専属隊」を発足 奈良・生駒市消防本部
新型コロナウイルスへの感染が疑われる人を救急搬送する時、救急車の中で隊員への二次感染などを防ぐため、予備の救急車で新型コロナウイルス対応の専用救急車の運用を始めた生駒市消防本部・消防署(奈良県生駒市)は27日、その救急車を使った「新型コロナ特別救急搬送専属隊」が発足した。 【ノーカット】<街ぶら>市民の命を守る消防隊員の横顔とは 奈良県・生駒市消防署の一日に密着
車検や修理の際に使う予備の車両1台を専用車に
同消防本部によると、同本部では管内で救急車5台を運用しているが、救急車の「車検」や「修理」の時のために1台予備の救急車も置かれている。今回は、その予備の1台を「新型コロナウイルス専用救急車」とし、今月15日から運用を開始している。
車内には大きなビニールシート、都度取り替え
専用救急車には「飛沫感染」を防ぐため、大きなビニールシートが車内全体にはられている。シートなどは搬送の度に取り替えられる。搬送の大部分は、転院搬送を想定しているという。隊員は感染症用の防護服、マスク、そしてゴーグルを着用し、救急活動に向かうこととなっている。
消防隊員34人が志願、隊員「市民の安心・安全を守る」
専用救急車の運用開始とともに「救急車専属隊」を発足させるため、同消防署で隊員を募集。その結果、計134人の職員の中から34人が志願し、基本的に3人×3交代制で勤務していく。 専属隊の隊員は「第一陣として任命されました。全国で発生する新型コロナウイルス感染症から市民の安心・安全を守り、また我々をサポートしていただく消防職員の感染防止に努め、本日より救急搬送業務に従事いたします」と力強く決意表明をした。
署長「小さな消防本部だけど、できるだけのことはすべてやる」
27日に行われた発足式で、同消防本部の川端信一郎次長兼消防署長は「ここにおられる34人のみなさま、本当にありがとうございます。このほかにも私のところに『子どもが生まれたから』『家庭の事情がこうだから残念です』という言葉をもらいました。活動隊の3分の1にあたります。本当に心強い思いでいっぱいです。我々消防署は比較的小さな消防本部、その中で、今できるだけのことはすべてしようという思いです」と述べた。
我々の工夫が市民のみなさまにも届けば
また「我々のこういった工夫が市民のみなさまにも届いて、各ご家庭で自分に合ったスタイルで感染防止の工夫をしていただき、よりいっそう感染防止に努めてもらえるようになればいいなと思っています」と話し、市民の感染拡大防止も呼びかけていた。