ボクシング 辰吉丈一郎の次男、辰吉寿以輝が18戦目でタイトル初挑戦 「もちろんKO。それが辰吉家の美学」 王者の中嶋一輝「倒せるときに倒せたら」
プロボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ(東京・後楽園ホール)の前日計量が11日、東京・文京区のblue-ing!で行われた。元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎(54)の次男で、東洋太平洋スーパーバンタム級6位の辰吉寿以輝(28)=大阪帝拳=はリミットより300グラム軽い55.0キロ、2度目の防衛を目指す王者の中嶋一輝(31)=大橋=はリミットの55.3キロでパスした。 【写真】次男の観戦に訪れた辰吉丈一郎氏と、るみ夫人 プロデビューから約9年8カ月、プロ18戦目で初のタイトル戦に臨む寿以輝は体重計に乗ると「えっ」と驚きの声を挙げた。「リミットで(大阪の自宅を)出てきた。移動で300グラムも減るとは思わなかった」とびっくりしたという。「調整はうまくいったと思います。勝負強さが鍵になる。もちろんKO。それが辰吉家の美学ですよね。殴り合いなんで」と改めてKO勝利を誓った。 2015年4月のプロデビュー戦から13連勝し、20年には日本スーパーバンタム級7位まで浮上。タイトル戦も視野に入れていたが、同年11月の14戦目で左目上をカットして負傷引き分けとなり、快進撃はストップした。その後はけがやコロナ禍で長く試合から遠ざり、日本ランキングからもその名が消えたが、昨年8月に2年9カ月ぶりの復帰戦で5回TKO勝ち。今年1月に日本バンタム級10位だった与那覇勇気(真正)に2-0で判定勝ちして、日本ランキングに復帰。5月にタイトル前哨戦で3-0の8回判定勝ちし、6月には東洋太平洋ランキングにも入った。 王者の中嶋は強打のサウスポー。寿以輝は「パワフルにはパワフルでしょ」と強打で対抗すると宣言した。父は3日前に寿以輝の自宅を訪れた際に「気合や」と激励した。試合では最長で8回までしか闘ったことがないが、「もうおやじ同様、気合でいこうかな。やるだけのことはやってきたんで。12ラウンド闘うつもりはもちろんないです。でも、12ラウンド闘える体は作ってきました」と力強かった。スパーリングは85ラウンド以上をこなしてきたという。 父が1990年9月にプロ4戦目で初のタイトル戦に臨み、当時の最速記録に並ぶ4戦目で日本王座を獲得した〝聖地〟で、〝浪速のジョージュニア〟も初のベルトをつかむ。