阪神D5位・佐野大陽、〝センター返し強制マシン〟で引っ張りグセ矯正だ 恩師から秘密道具授かった
阪神のドラフト5位・佐野大陽内野手(22)=日本海L富山=が23日、愛知・春日井市内の母校・中部大のグラウンドで自主トレを公開した。恩師の堀田崇夫監督からセンター返しの感覚を取り戻す効果がある秘密道具をプレゼントされ、ニンマリ。同じ姓をもつ阪神OBの佐野仙好(のりよし)氏に憧れるルーキーが、レジェンドへの道を近づけた。 折れたバットをリメークし、ワイヤをつける。後方から引っ張られながらバットを出していくことで、力を伝える向きを確認することができる。これでプロの世界で羽ばたける。新人の中で最初に自主トレを公開した佐野は相棒を手に入れた。 「バッティングが良くなる体の使い方があって、それを学びに来た。富山の一年間は、その教えてもらったことが自分の体の中で体現できなかった。プロの舞台で活躍するために、もう一回、修正したいと思った」 練習メニューをおさらいし、中部大独自で作っている「ファンクショントレーナー」という器具を使用。富山での1年間は打率・333を残したが、納得いく内容ではなかったという。腕力だけで振って、引っ張り込むようになってしまっていたが、大学4年春には愛知大学リーグで4本塁打を記録した頃のようなセンター返し中心の感覚を思い出すことができた。 堀田監督は秘密道具について「遠心力が効いてヘッドが効くスイングになる」と解説。「プロで勝負してみたら」という思いで、佐野にプレゼントしたことを明かした。 中部大から野手として初のプロ野球選手となった佐野。「ここの4年間がなかったら今の僕はない」と振り返るほどの成長を果たした懐かしのグラウンドで、約3時間にわたってノックやティー打撃などで汗を流した。 虎の佐野といえば、勝負強い打撃で1985年の日本一に貢献した佐野仙好氏。大陽の記憶には、V戦士の名前が手書きで書かれたスコアボードが鮮明に残っている。 「(背番号)9番ですよね? 小学生のときに甲子園歴史館で見て、どんな人なのか調べた。僕の『佐野』っていう名字を(スクリーンに)載っけたいな、という思いはありました」 常葉橘高時代はたどり着けなかった甲子園。プロになって、令和の「虎の佐野」となっていく。恩師からのグッズを大切に1軍を目指していく。(中屋友那)