思い出すDeNA・三浦監督の「訓示」 27年ぶりリーグVへ、今こそ「逆算のススメ」
DeNAは8日から新人合同自主トレを「横須賀スタジアム」などでスタートさせた。練習開始には三浦大輔監督が訓示。毎年の恒例行事で、今年印象に残った言葉は「コーチもそう、チームトレーナーもそう、利用できるものは全て利用しろ。自分がこの世界で結果をだすためにどうするかを考えろ」というエールだった。 就任5年目の指揮官は、毎年内容を変え金の卵たちを励ましている。歴代の「訓示」で印象に残っているのが、就任初年度の21年1月に入江大生投手(ドラフト1位)、牧秀悟内野手(同2位)らに説いた「逆算のススメ」だ。 「みんな目標があるよな。年間、月、1週間、その日。それを逆算したら分かるよな?今、何をすべきか。逆算の習慣は野球に生きる。さあ始まるぞ!」 当時はコロナ下でオンライン取材が主。2軍練習施設「DOCK」の入場者も限られ、静かな合同自主トレ初日だった。その静寂な雰囲気とともに「逆算」の2文字は記憶に刻まれた。 そして、25年。DeNAは27年ぶりのリーグVを最大の目標に掲げ、新年を迎えた。昨季レギュラーシーズンは71勝69敗3分けで3位。優勝した巨人は77勝59敗7分けで、勝ち星は6個差だった。一般的に開幕前に目安とする優勝ラインは「80勝」と言われている。 つまり、DeNAが優勝ラインから「逆算」し勝ち星を積み上げるなら、あと9勝が必要となる。昨季の数字に9勝をプラスすれば80勝60敗3分け。胸を張れる数字だ。だが、予期せぬ故障者も出れば、スランプとなる選手も現れるのがシーズン。安易に「逆算」は結果に結びつかない。 東はケガなく昨季と同じ活躍ができるのか、オースティンは再びシーズンを完走できるのか…。不安はつきまとう。その中で春季キャンプでは、リーグVから「逆算」した取り組みとチームは向かい合う。それは当然、昨春とは異なる取り組みになる。 リーグVから日本一の「完全無欠V」へ。番長の胸にも強く刻まれるであろう「逆算キャンプ」を、担当記者としてじっくり見届けたいと考えている。(記者コラム・大木 穂高)