まさに初見殺し…実は最強?『ドラゴンボール』初期に登場「チートすぎる能力」の凶悪度
■触るだけで人参になってしまうチート能力
そのように、一瞬で勝負を決めかねない強力技が登場していた初期『ドラゴンボール』だが、このテーマでは兎人参化(とにんじんか)も外せないだろう。彼は第2巻に登場した、とある町を我が物顔で徘徊しているウサギ団の親分であるが、彼の特殊能力は、触った相手を人参にしてしまうというものだ。体に触るだけで人参になってしまうため、誰も近づくことすらできないのである。 実際にブルマは人参にされてしまうが、悟空は如意棒を伸ばして兎人参化を攻撃し、あっさり倒してしまった。 ヤムチャにも名前が知られているほどであり、相当な有名人ではないかと思われるが、なんといっても触ることすらできないというのはこれまた初見殺しのチート能力である。 ピッコロ大魔王などは長年封印されていたため存在を知らず、もしかしたら触って人参にすることができていたかもしれない。また、スカウターでもおそらく「戦闘力たったの5か、ゴミめ」程度の数値しか出ないだろう。ベジータやフリーザのように、気を感じる能力を持っていないキャラ相手ならこっそり近づき人参にしてしまうこともできるかもしれない。 ただ、残念ながら、このとき悟空に敗れた兎人参化は月に置き去りにされてしまった。そのうえ、ジャッキー・チュンが天下一武道会の際に月を破壊してしまったため、残念ながらピッコロ大魔王以降の戦いに彼が登場することはなかった。
■ほとんどの敵を倒せるかもしれない「最強の技」とは?
そして、作中でも特に強力で、どんな敵でも倒せるのではないかと囁かれてきたのがアックマンのアクマイト光線である。 アックマンが登場したのは第9巻。最後のドラゴンボールのありかを教えてもらうために悟空たちが占いババに相談に行ったところ、1千万ゼニー、もしくは5人の実力者を倒すことで教えてやると言われ戦うことになった相手だ。 アックマンは天下一武道会で2度も優勝したことのある実力者。彼の放つアクマイト光線は、食らうことで自分の中の悪い心が膨らみ、爆発して死んでしまうというとんでもないもの。「どんなに よいこぶったやつにも ぜったいに すこしは 悪の心がある」という、子ども読者がドキッとしてしまうような隙のない技で、チートすぎるこの能力が発揮された天下一武道会はさぞ凄惨な現場だっただろう。 もしかしたらこの光線を浴びたらピッコロ大魔王やベジータ、フリーザなどを相手にしても勝てていたかもしれない。とはいえ、もちろん「当たれば」の話であり、長年最強説のあったアクマイト光線については、鳥山さん自らが読者からの質問に答える形で「たぶん相手に当たらないし、もうそんなレベルの闘いじゃないんだと思います」と語っている。 ただ、この実は強いアックマンは2007年のアクションゲーム『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』で「意外な救世主」編の主人公として登場しており、フリーザを倒すというまさに「実は最強」の世界観を体感することができる。 以上、『ドラゴンボール』初期の3つの技について紹介してきた。もしかしたらベジータやフリーザなどにも通じるかもしれないと書いてはいるが、実際のところは誰にも分からない。ただ、相手の動きを止める超能力が使えるチャオズが、サイヤ人のナッパ戦で「ボクの超能力が効かないっ」と言っているところから、あまりに実力差がある相手だと効かない可能性は高いだろう。ただ、さまざまな考察ができるのも『ドラゴンボール』という作品の魅力ではないだろうか。
徳江風波