非正規採用、モンペに校内いじめ…適応障害発症した夫を支えた教員が「裏切り」に気づいた理由
退職してアルバイトを始めて元気になったが…
40歳で退職する頃には元気になり、夫はフリースクールでアルバイトを始めます。夫が生き生きと働き始めてホッとしましたが、半年ほど前から火曜日の帰宅が深夜になるようになったそうです。 「理由を聞くと校長とこれからの教育について話し合っていると言っていましたが、判を押したように火曜日というのはおかしいですよね。また、稼ぎ始めたのだから、家にお金を入れて欲しいというと、“10万円程度だから余裕がない”と言うんです。給料明細も見せてくれません」 先日、奈美さんが修学旅行の下見から戻ってくると、ゴミ箱に駅ビルの領収書が入っていたそうです。 「若者に人気のブランドで、2万円のジュエリーを購入したレシートでした。13歳の娘が持つには早く、私が使うには、若すぎる。念のために娘に確認すると、“私、そんなの買ってない”と言う。夫に聞くと、顔を真っ赤にして、“お前はいちいち、うるさいんだよ”と怒り出したんです」 奈美さんは、生活費の全額を負担し、住宅ローンも支払っている。奈美さんが娘のために購入したお菓子やアイスも夫が食べてしまう。さらに、夫が休職してから夫婦関係を拒否され、奈美さんの不満は溜まっていたとか。 「当然、夫から感謝の言葉はありません。フリースクールで働き始めてから、私に対して、“私学(私立大学卒)の俺を馬鹿にしているんだろう”と発言したり、料理を食べる前に醤油やマヨネーズをぶっかけて、“私の料理がまずい”というアピールを重ねてくるようになりました。他にも色々と我慢を重ねてきたんです。夫を家から追い出す勇気をもらうための証拠をとってください」 奈美さんは夫に対して母のように接しているようなところがあると感じました。夫婦関係も対等でないと、お互いに幸せにならないことが多いです。離婚の有無は別にして、浮気調査が夫婦関係を見直すきっかけになるのではないかと、夫の調査に入りました。 ◇一生懸命仕事をしようとしている教員が、職員のいじめで子どもと向き合う以外の部分でパワーを使わなければならない。そんなおかしいことがあるだろうか。浮気はよくないことではあるが、外での問題によって、いい教員を目指していた夫婦に亀裂が入ってしまっているのは残念なことだ。 では実際夫は浮気をしているのだろうか。調査の結果は後編「毎週火曜「深夜帰宅」の謎…適応障害超えた元教員夫「すべてを支えた妻」が一番怒ったこと」にてお伝えする。
山村 佳子(探偵事務所代表)