子ども2人を私立小に通わせ、家計が破綻…専業主婦の妻と離婚を決意した大手商社勤め夫の末路
双方の辛さが解消される方法
太一は、何だか自分の悪事を暴かれたようなばつの悪そうな表情で、ひどいことを言って申し訳なかったと謝罪した。一方で、「でも、本当にお金が足りなかったし、私ももう限界だったんです。リビングから妻や子どもの笑い声が聞こえてくるのが苦しくて……。家に帰るのが嫌で、駅のホームで何本も電車を見送る毎日でした」と付け加えた。 双方の辛い心のうちを受け、調停人は次のように続けた。 「お二人とも、辛い気持ちで生活されていたことが良く分かりました。そうした『辛さ』を解消する方法は、太一さんにとっては、離婚や別居ということになると思うのですが、マミさんにとってはどうでしょうか。太一さんが心を入れ替えて、優しい気持ちで自宅に戻ってきてくれることでしょうか。今日はもう終了の時間ですので、次回までに、お互いに『どうすれば夫婦双方の辛さが解消されるか』について考えてきてください」 夫婦の出した結論は後編記事【年収1400万円大手商社マンが専業主婦の妻と離婚…「生活レベル」を落としたくない妻の「要求」】から。
小泉 道子(家族のためのADRセンター代表、臨床心理士)