「最低賃金」1050円台半ばに?──上げ幅“過去最大”でも物価上昇に追いつかず 理想は…専門家に聞く【#みんなのギモン】
■もし時給が50円上がったら…?
加納解説委員 「現在の最低賃金から50円上がったとして、時給1054円として単純計算していくと、1日8時間で月20日勤務した場合、月に8000円収入がアップすることになります。1年間ですと、9万6000円アップということになります」 桐谷美玲キャスター 「9万6000円アップとなると、給料をもらう側も払う側にとっても、決して安い金額ではないですよね」
■10年で224円UP…最低賃金の変遷
加納解説委員 「最低賃金の全国平均はこの10年でググっと上がっています。厚生労働省によると2014年度は780円でしたが、2023年度は1004円。10年で224円アップしています。2023年度は1000円の大台を突破したと話題になりましたよね」 「しかし現状は、手放しで喜べるものではありません」
■節約中の50代男性を悩ませる物価高
加納解説委員 「埼玉県に住む50代の男性を取材しました。時給1280円の郵便配達で生活を支えていますが、食費を切り詰めるなど、節約に努める日々だといいます。さらに男性を悩ませているのが物価高です」 男性 「やはり(買う)基準が半額。さらに下がればなおいいかなと。食事は欠かせないものだから。そこをどれだけ節約できるか」 「値段は以前と変わらないんですけど、中身の量が少ないとか、本数が少ない、グラムが少ないとか。(時給)1500円は最低でもあればと思いますね。みんながゆとりをもって日常の生活(ができる)、暮らしていけるような賃金体系を望んでます」
■首相が目標に掲げる最低賃金は?
森圭介アナウンサー 「給料を上げると企業としては人件費が増えますから、なかなか簡単ではないと思いますが、とにかく今ポイントなのは、給料の額が増えたとしても、物価の上昇がそれを上回っていると、実質賃金がマイナスになりますよね」 「賃金の額と物価の上昇のバランスが本当に重要になってきますもんね」 加納解説委員 「なかなか生活に余裕は出ないんですよね。男性は『最低でも時給1500円あれば』と話していましたが、岸田首相は最低賃金について、2030年代半ばまでに全国平均を1500円まで引き上げることを目標に掲げています。あと10年くらいはかかりそうですよね」 河出奈都美アナウンサー 「ただその10年でさらに物価が上がって行ったら、1500円なども高いというふうにはならなくなってくるかもしれないと思います」