【体験談】ただの「ささくれ」と侮っていたら右手が全く使えない状態に…
右手が全く使えない状態に
編集部: どのように治療したのですか? 太田さん: 私の場合、受診した時には、赤く腫れているだけでなく中に膿が溜まっていたので、専用の針を使い、患部である右手の中指を刺して溜まっていた膿を押し出してもらいました。 その後しばらくは、また感染して炎症を起こす可能性があるということで、化膿止めを使い、細菌が入らないよう絆創膏で保護するようにと指示されました。 編集部: 「ささくれ」が大変なことになりましたね。 太田さん: はい。本当にただのささくれだと思っていたのでショックでした。針を刺した時も、膿を押し出した時もとても痛く、処置後しばらく経っても痛みが治まりませんでした。 編集部: 生活に支障は出ましたか? 太田さん: 出ました。右手が全く使えない状態だったので、すべての家事や作業を左手だけで行わなければなりませんでした。 右利きだったので、食事や服を着る時(ボタンかけなど)など、思うように手が使えず、とても大変でした。せめて利き手でない左手だったらもう少し色々できたのではないかと思います。
感染が進むと切断の可能性もある
編集部: 爪周囲炎を知らない人にアドバイスをするとしたら? 太田さん: 私はささくれができやすいのか、爪の周辺にささくれができるといつも気になってしまい、手でむしり取っていました。実際には、ささくれは爪専用のニッパーなどで取ったほうが良いそうです。 ささくれを手で取って放置しておくと、こんなに腫れて、治療で切開しなければならなくなるなんて知らなかったので、とても後悔しました。さらに感染が進むと切断になる可能性もあるそうです。 編集部: 現在は完治しているのですか? 太田さん: 整形外科で処置してもらったことと、出してもらった化膿止めの薬をしっかり塗布していたおかげで、今ではすっかり治りました。右の中指も使えるようになり普通に生活できています。 「感染が進むと切断することになる」なんて当時は想像していませんでしたが、やはり整形外科を受診して本当によかったです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 太田さん: どんなに小さい傷でも、そこから菌が入る可能性はあり、菌が入ってしまえば感染症につながります。 さらに、感染が進むのを放置すると爪の周囲だけでなく指全体が黒くなり、壊死した組織を取り除かなければならなくなったり、ひどい時は指ごと切断しなくてはならなくなったりしてしまいます。 ささくれができたら、専用のニッパーで丁寧に取ってできるだけ清潔に保つようにしてください。ささくれの部分がちょっと赤いな、腫れてきたなと感じた時は、早めに皮膚科や整形外科を受診することをおすすめします。 当時は「ささくれで病院を受診なんて大げさかな」と思っていましたが、医師の説明を聞いてからは、傷からの感染はとても怖いものだと知りました。これを読んでいる皆様の参考になればいいなと思います。