仕事がきついので年金を早めに受け取りたいです。63歳で手続きしたら何割受け取れますか?
仕事がつらくて65歳まで待てない方でも、63歳から年金を受け取ることは可能です。しかし、65歳まで待って受け取る場合と比べて、受け取れる金額は減額されてしまいます。一体どれくらい減額されるのでしょうか? そこで本記事では、63歳から年金を受け取る際の減額率と具体的な手続きについて詳しく解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
63歳で年金を受け取る場合の減額率
年金を63歳0ヶ月で受け取る場合、原則として65歳から受け取る場合に比べて、年金額は12%減少します。つまり、本来受け取れる年金額の88%を将来にわたって受け取ることになります。 ◆減額率は繰上げ受給開始年齢と加入期間によって決まる 年金の繰上げ受給については、受給開始年齢と加入期間によって減額率が異なります。具体的には、以下の通りです。 ・60歳から65歳までの間に受け取る場合(繰上げ受給) 受給開始時期を1ヶ月繰上げるごとに、受給額は0.5%(昭和37年4月1日以降生まれの方は0.4%)が減額されます。つまり、60歳で年金の受給を開始すると、本来の年金額より最大で24.0%減となる76%の年金額となります(昭和37年4月1日以降生まれの方は30.0%減で70.0%の年金額)。 ・66歳以降75歳までの間に年金の受給を開始する場合(繰下げ受給) 受給開始時期を1ヶ月繰下げるごとに、受給額は0.7%増額されます。66歳以降1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額率が増加していき、75歳まで年金の開始を遅らせると最大84%増額することになります。
63歳から年金を受け取るための手続き方法
年金を63歳から受け取るための手続きは、以下の通りです。 1. 年金請求書の確認 年金請求書を準備し、必要事項を記入します。 2. 必要な添付書類の用意 本人の生年月日が確認できる書類(戸籍抄本や住民票など)、通帳のコピー、認め印を用意します。その他、受け取る年金によってさまざまな書類が必要になるので、確認が必要です。 3. 年金請求書の提出 63歳の誕生日の前日を迎えたら、添付書類とともに年金請求書を提出します。提出は郵送か持参となります。 具体的な手続きや必要な書類については、日本年金機構のウェブサイトやお近くの年金事務所で詳しく確認することをおすすめします。また、年金は受け取る権利(受給権)を得たときに自動的に開始されるものではないため、必ず年金の請求手続きが必要です。 マイナンバーカードを利用すると、手続きが簡略化できます。また代理人による手続きも可能ですが、その場合は委任状が必要です。 なお、年金の請求をせずに、年金を受けられるようになったときから5年を過ぎると、法律に基づき5年を過ぎた分の年金については時効により受け取れなくなる場合がありますので、早めに請求するように気をつけましょう。