11月11日は【チーズの日】チーズの種類と特徴は?栄養ポイントは? 栄養士ライター解説
11月11日は「チーズの日」
世界中に1000種類以上あるとも言われるチーズ。日本でも多種多彩なチーズが手に入るようになりました。、11月11日は「チーズの日」。また、まもなく解禁になるボジョレー・ヌーボーをはじめ、ワインのおつまみとしてチーズを楽しむ人も多いのではないでしょうか。 【今日はチーズの日】えっ?チーズがないって?家にある物で《チーズ》を作る方法をチェック
チーズの奥深い歴史
ご存じのように、チーズは牛や山羊などの生乳から作られます。正確な起源は分かっていませんが、紀元前4000年頃の古代エジプトの壁画にチーズ作りが描かれていることから、数千年以上前からチーズが存在していたと想像できます。おそらく、家畜の乳をしぼったものが偶然の産物でチーズとなり、貴重なミルクを保存する手段として、チーズ作りの知恵が生まれたのでしょう。 チーズの発祥地についても諸説あり、西アジアのメソポタミア地域から始まり、東西のヨーロッパ各地や中央アジア、アフリカへ伝播したと考えられています。日本にもシルクロードを通って7世紀頃に伝わり、「蘇(そ)」「醍醐(だいご)」と呼ばれる乳加工品の作り方が古文書に残っています。ただ、本格的なチーズ製造が日本に根付いたのはずっと後の明治時代以降です。
チーズの種類や特徴を知って好みのタイプを見つけよう!
チーズの不思議なところは、同じ生乳から作っても出来あがるチーズの味や香り、質感、形が大きく異なる点です。原料となる乳種(牛・水牛・山羊・羊など)、気候や土壌などの環境、作り手の創意工夫などが、チーズの風味に大きな影響を及ぼしているためです。大別すると「ナチュラルチーズ」「プロセスチーズ」の2タイプがあり、それぞれの特徴や違いがあります。
【ナチュラルチーズ】
熟成の有無や温度や湿度の影響を受けながら風味が変化します。 熟成に使用する微生物の違い、熟成期間、出来上がるチーズのかたさなどで、さまざまな種類に分類されています。 ●フレッシュタイプ(非熟成) 生乳に乳酸菌や酵素を加えて固め、熟成させません。水分が多く、やわらかいのが特徴。クセがなく、爽やかな酸味とミルクの風味が楽しめます。カッテージ、モッツアレラ、リコッタ、クリーム、マスカルポーネ、フロマージュ・ブランなど。 ●白カビタイプ(カビ熟成) 表面に白いカビを植え付け、熟成させます。白カビが作る酵素によって表皮から内側へ熟成が進んでやわらかくなり、コクのあるクリーミーな味わいに。日本でも人気のカマンベールをはじめ、“チーズの王様”と称されるブリー・ド・モーなど。 ●青カビタイプ(カビ熟成) 「ブルーチーズ」とも呼ばれ、成形する前に青カビを付け、内部から熟成が進みます。チーズの種類で青カビの菌は異なります。特有の風味が特徴で、塩味が強め。ロックフォール、スティルトン、ゴルゴンゾーラが世界三大ブルーチーズとして有名。 ●ウォッシュタイプ(細菌熟成) 名前の通り、表皮を塩水や蒸留酒などで何度も洗うことで表面に細菌(リネンス菌)が繁殖し、熟成が進みます。赤みとねっとりした粘りを帯び、風味が強め。マンステール、エポワス、ダレッジョなど。 ●シェーブルタイプ(カビ熟成・細菌熟成) 山羊乳から作るチーズで、乳酸菌によって内側から熟成が進むタイプと、外皮に付けた白カビの作用で外側から熟成するタイプがあります。やわらかく崩れやすいため、小さめに成形されます。ピラミッド形をしたヴァランセ、円筒形のサント・モール・ド・トゥレーヌなど個性豊か。 ●セミハードタイプ・ハードタイプ(細菌熟成) 熟成期間が長く、水分をよく抜いて仕上げるため保存性が高め。セミハードはゴーダ、サムソーなど。熟成が若いうちは弾力のあるかたさで、食べやすくクセが少なめ。ハードはパルミジャーノ・レッジャーノ、コンテ、ミモレットなど。長期熟成によりアミノ酸などのうまみ成分が増す特徴があります。