海外メディアは韓国・李相花を慰めた小平奈緒のスポーツマンシップを絶賛
平昌五輪のスピードスケート女子500メートルが18日、当地の江陵オーバルで行われ、エースの小平奈緒(31、相沢病院)が36秒94で五輪新記録をマークして金メダルを獲得した。海外メディアも小平の快挙を一斉に報道したが、五輪3連覇を狙いながら銀メダルに終わった韓国の李相花(イ・サンファ)をレース後に慰めた小平のスポーツマンシップを賞賛するものが多くを占めた。 NBCスポーツは、「小平がイ・サンファの五輪支配を終わらせる」との見出しで、小平が500メートルで2年近くにわたる無敗レースを続けて、平昌で金メダルを獲得したという経緯を報道。 「小平は、日本のメディアやファンからのプレッシャーに屈することなく、五輪のスピードスケートで最初の日本人女性の覇者となった。平昌五輪まで日本の女子選手のスピードスケートでの五輪メダル獲得数は4つだけだったが、この大会ではすでに4つのメダルを数え」と、日本のスケート史を塗り替える快挙だったことを強調した。 そして五輪で2連覇中だった地元韓国のイ・サンファが0.39秒差で2位に入ったことに触れ「2度の500メートル金メダリストは、違った理由で感情的になっていた。五輪の前にイは“自国で勝てればどれだけ素晴らしいか”と語っていた。勝利はならなかったが、韓国ファンはイに声援を送り、レース後には会場で彼女の名前が連呼された」と会場の様子をレポート。小平が金メダル確定後に、イの傍に駆け寄り言葉をかけたシーンに注目。「本物のスポーツマン精神として小平は3連覇できなかった2度の五輪覇者を慰めていた」と伝えた。 米ヤフースポーツも「女子スピードスケートの500メートル決勝には何の疑いもなかった。日本の小平がスタートから先行し金メダルを獲得、五輪新記録を樹立した」と伝えた。 同記事も小平が、レース後、イの健闘を称えたシーンを取り上げた。 「31歳の小平は500メートル競技の世界選手権を制し、金メダル最有力として五輪を迎えた。短距離の小平は1000メートルでも世界記録をすでに保持している。韓国の28歳で五輪2連覇中だったイ・サンファは銀メダルだったが、レース後に悲しみに打ちひしがれ、小平に慰められなければならなかった」と記した。 また小平の金メダルが日本のスピードスケート界では、女子では初、男子を含めても1998年の長野五輪での清水宏保氏以来、20年ぶりになることも報じた。 英国のBBCも「小平がイ・サンファ3大会連続金メダルを阻む」との見出しで、イとのライバル関係に焦点を当て、「小平が地元韓国の観客を狼狽させた」と伝えた。 「31歳の日本の小平は同じ会場で行われた去年の世界選手権でも、この韓国のスター選手に勝利していた。そして彼女は、日曜日にイが2014年のソチ大会で樹立した五輪記録を破り、36.94秒でもう一度勝利を収めた。小平とエルバノバは14組でスタート。(レース後に)小平は地元のファンの前で指を唇に置くしぐさをした。28歳のイは、次の組だったが、1000メートルでも銀メダルを獲得している小平のタイムに及ばなかった。エルバノバより100分の1秒早かったが、イはリンクを一周する間に涙を流し、小平に慰められた」と、試合経過をレポートする中で、レース後の2人の友情関係を特筆した。 韓国メディアの英語版であるコリア・ヘラルド紙は、「イ・サンファは3大会連続の金メダルは逃したが、今月末に29歳となるスケート選手(イ・サンファ)はスピードスケート女子選手として伝説のままだ。冬季五輪においてショートトラック競技に比重が置かれる韓国では、スピードスケート競技では、過去に4つの金を獲得しているが、2つはイによるものだ」と、イの銀メダルを賞賛。 「近年では冬季五輪ソチ大会の500メートルで5位に終わった日本の小平がイとの差を急速に縮めていた。国際スケート連盟による今シーズンのワールドカップで、31歳の小平は、7つの500メートル競技を制して全レースでイを破っていた」と伝え、小平の強さを称えた。 政治の世界では日韓関係の微妙な駆け引きが報道されているが、スポーツの世界では日韓の両エースは堂々と勝負して、そしてスポーツマンらしく、遺恨なく、お互いの健闘を称えた。