AIの回答生成プロセスを説明し「信頼して使える」ようにするMaisaの技術
「人間のインプットとAIの組み合わせが望ましい形だ」
■企業顧客のAIの導入を支援 このテクノロジーの重要な点は、AIの回答をユーザーにステップごとに説明することで、その回答がどのように導き出されたのかを説明し、ユーザーがその回答に満足しているかどうかをチェックできることだ。ユーザーは、意思決定プロセスのすべての段階を追跡・監査することができるため、AIが何をしているのかを把握しながらビジネスワークフローに組み込むことができる。 多くの企業にとって、このプロセスは極めて重要だ。マイサの顧客である大手金融サービス会社は、以前AIを導入したが、顧客への提案内容がどのように導き出されたのかを説明できないことに違和感を覚え、取り止めたという。また、ある石油・ガス会社は、重要なコンプライアンス責任を管理するためにマイサを利用しているが、この業界では安全性の問題は人々の生死に関わる場合がある。 マイサは、2024年初めに設立されたばかりの企業だが、初期段階におけるこれらのユースケースは、同社が事業規模を拡大できるという確信を投資家たちに与えている。同社のテクノロジーは、AIの性能を測定するベンチマークのGPQAダイヤモンドテストにおいてOpenAIの新たな推論モデルの「o1」と同レベルであることが示唆されており、AI研究者からも注目されている。 「マイサは、AIエージェントを複雑な業務に利用可能にする革新的なテクノロジーを構築している。彼らのツールの新たなベンチマークと法人顧客への導入実績を見ることを非常に楽しみにしている」と、ビレッジ・グローバルのマックス・キルバーグは述べている。 ビラロンは、LLMの性能が向上したとしても、AIに対するマイサのアプローチは魅力的なものであり続けると考えている。「AIがより信頼できるものに進化する可能性はあるが、その場合は、AIに主導権を渡したいかどうかという、より大きな疑問が生じることになる。AIは、人間が苦手とすることを驚くほどうまくこなす一方で、人間が得意とすることを非常に苦手にすることもある。だからこそ、人間のインプットとAIの組み合わせが望ましい形だと言える」と彼は語った。
David Prosser