今の取り組み継続を 専門家会議が会見(全文4)医療基盤が弱い地方ほど大ダメージ
東京は医療体制拡大により患者の圧迫が減ってきた
今村:東京都の感染者数が減ってきたというところがどのぐらいインパクトがあるかということなんですけれども、この答えは結構、複雑な回答になります。実はこの回答をするときに、これから都道府県でどのようなことをやらなきゃいけないか、医療体制あるいは医療という面で、そこの部分を挟んでいるので、ちょっと長めに回答させていただきます。 まずは医療体制のほうなんですけれども、例えば東京都のほうは指定医療機関がかなりいっぱいになった状況もあり、そこに対していろいろなほかの医療機関が診てくれるようにはなってきています。なおかつ軽少な患者さんはホテルで引き取るようになるっていうことが始まっていまして、そういう意味での、医療体制の進んだことによって患者の圧迫が減ってきたという面が1つあります。それが今の患者数の減少のスピードよりも先に行われ始めたので、その部分で助かっている面が実はありました。 これは先ほどの質問の中にもあった部分につながるんですけども、この医療体制は、緊迫した中でやらざるを得ないところで、みんな腹を決めて進めていった部分もあるんですね。一般の医療機関で今まで診ていなかったところが診るにはそれなりの準備が必要です。
患者数が減っても医療現場の負担がすぐ減るわけではない
そういうのがかなり緊迫した中で行われたという事実があるわけです。それが今まで診ていなかった、それほど多くなっていなかった医療機関、その医療機関がもしも同じことになってしまうとかなりのダメージを負ってしまうことになります。特に地方の医療基盤が弱いところほど大きなダメージを負ってしまうので、それを準備する期間が必要だということが今、実は大切な部分になります。 もう1つ、患者数が減ってきていても、重症・重篤患者は長期の入院を要するので、かなり病床を埋めたままでいます。今、軽症の中にも重症になり、さらに重篤になる患者さんも含まれています。その重症・重篤患者さんの治療っていうのはまだ続けなくてはいけないわけですね。特に重篤な患者さんになってくると、かなりの人的な、人がたくさん要りますし、治療も集中的な治療を24時間続けなくてはいけないわです。そういう患者さんが今、多くの医療機関を埋めている状況になっています。その人たちの診療っていうのは今、続いている状況なので、その負担は続いているということを知っておいてもらいたいかなと思います。そちらのほうが少し落ち着いてこないと、今はそれによって、例えば救急医療体制、通常の救急医療体制も圧迫されている状況となります。そうするとそれが緩和されるまでっていうにはある程度時間が必要だということもあります。 そういう意味で、患者数がすごい減ったからといって医療の現場の負担がすぐ減るわけではないということを知っておいていただけたらいいかなと思います。以上です。