最低賃金が1500円に引き上げられたら。5割の企業が自社の賃上げは「できないと思う」、対応策は「価格転嫁・値上げ」が37%
マイナビが全国の企業・個人を対象に実施した「最低賃金1,500円引き上げに関する意識調査(アルバイト就業者・企業)」によると、最低賃金の全国平均1500円への引き上げに合わせて自社の賃金を段階的にアップできるか聞いた質問で、56.3%が「できないと思う」(「どちらかと言えばできないと思う」(33.5%)「できないと思う」(22.8%)の合算)との意向を示した。
「できると思う」は9.6%、「どちらかと言えばできると思う」は34.1%だった。
最低賃金が全国平均1500円になった場合の不安点・懸念点は、「人件費の増加による経営圧迫」が52,7%で最多。「価格転嫁した際の価格競争力低下」が29.2%、「働き控えによる人手不足の加速」が29.0%で続いた。
最低賃金が全国平均1500円になった場合の対応策は、「価格転嫁・値上げ」が最多で37,0%、「設備投資削減」が24.9%、「業務プロセスの改善」が22.2%だった。
雇用する人員に対しての対応策は、1人あたりの労働時間は「変えない」(68.3%)、人員数(人員体制)も「変えない」(64.9%)が最多だった。
一方、アルバイトに対して最低賃金を全国平均1500円への引き上げを実現してほしいか聞いたところ、「実現してほしい」が59.0%、「どちらと言えば実現してほしい」が24.1%だった。実現してほしい理由は、「生活が苦しい」「物価が上がっているから」「仕事内容が大変だから」などがあがっている。 石破茂首相は11月、総理大臣官邸で政労使の意見交換会に出席した際、最低賃金に対して「2020年代に全国平均1500円という高い目標に向け努力する」との意向を示している。 □ 調査概要 ・調査方法:インターネット調査 ・対象者:個人は473人、全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、2024年11月時点でパート・アルバイトの仕事をしている人(2024年9~10月の2か月間に非正規雇用の仕事を探した人)。企業は863社で、従業員数10人以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握している人(2024年9月~10月の2か月間に採用活動を行った又は新規採用を行った人) ・実施期間:2024年11月1~6日 ・調査主体:マイナビ