宮島達男の作品を常設する新しい美術館が福島県に建設へ。《時の海 - 東北》美術館(仮称)が構想10年を経て2027年竣工。建築家は田根剛
福島県富岡町とは
富岡町は福島第一原発と第二原発の中間に位置し、震災後の復興が進む町。住民登録人口は1万1338人(2024年12月時点)だが、実際の居住者は約2500人。津波被害や放射能除染作業で一度は更地になった地区にも、現在はワイナリーやアートセンターが立ち、スマート農業を活用した地域再生が進行中だ。 海が見える場所への恒久設置を構想していた宮島は、場所を求めて東北の太平洋沿岸を巡るなかで、偶然の富岡町の役場の方との縁から建設予定地に出会ったという。導かれるように訪れ滞在し、多くの人々と交流するなかで、人と場所に惚れ込み土地の購入を決めた。建設予定地は約3万4075㎡におよび、波の音が徐々に聞こえる美しいサウンドスケープを備えている。 波が放つ光や音を前に、作品を通して思い思いの時間を過ごすことができる美術館になりそうだ。開館を楽しみに待ちたい。
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