老いては煩悩に従え! 「不倫バッシング」で日本が衰退するワケ【和田秀樹×池田清彦】
近頃、日本の男性は元気がない。コンプラにポリコレ、健康常識に老後設計……時代の変化と社会の要請に揉まれ、オスとして大切な何かを失いつつあるらしい。 【写真を見る】艶っぽい逸話満載で“男の甲斐性”として一目置かれた有名人 〈愛人複数、子供は17人以上、68歳の時の子〉 オスがオスらしく生きるためにどうあるべきなのか、その答えの一つは「男性ホルモン」にあるという。メディアでもすっかりおなじみ、和田秀樹さん(医師)と池田清彦さん(生物学者)に話を聞いた。 ※本記事は、和田秀樹氏、池田清彦氏による対談『オスの本懐』(新潮新書)より一部を抜粋・再編集し、全2回にわたってお届けします。 ***
「ダメ尽くし」で長生きしても楽しいのか
和田秀樹(以下、和田) 若い頃に比べて「気力が落ちた」と感じるのは多くの場合、男性ホルモンの減少が背景にあります。裏を返せば、「色めいたこと」への関心を下支えする男性ホルモンは生きる活力そのものだということです。 80歳でエベレスト登頂を果たしたプロスキーヤーの三浦雄一郎さんは、男性ホルモンの一種テストステロンを打ち続けたことで筋肉量が増え、体力を回復できたそうです。これは三浦さんの主治医である熊本悦明先生(札幌医科大学名誉教授)の勧めとのことで、熊本先生ご自身も亡くなる直前の92歳まで現役医師を続けられた。男性ホルモンという名称がよくないので、「元気ホルモン」に変えるべきだと主張されていましたね。 池田清彦(以下、池田) 男性ホルモンのおかげで活力も出るし、面白く生きられる。 和田 そうです。男性ホルモンの数値が下がると、ロクなことになりません。気力が落ちるだけでなく、人づきあいが億劫になってくる。男性ホルモンが減少すると異性への興味がなくなるとよくいわれますが、それだけでなく、人間そのものに興味がなくなってしまうんです。加えて記憶力が低下、筋肉が落ちて脂肪がつくので健康にもよくない。 つまり、歳をとればとるほど「性的に枯れないこと」が重要になるのに、ほとんどの日本人はそういう「本当のこと」について話そうとしない。逆に、いい歳をした男が色を好むなんて、「年甲斐もないバカ」みたいに蔑まれる風潮さえあります。