2024年「年金の財政検証」私に関係ありますか?厚生年金と国民年金の最新平均額も
少子高齢化が進み「将来、日本の年金制度は破綻する」という意見を聞くこともありますが、国は5年に1回、年金の財政検証を行い、公的年金制度の健全性を確認しています。 【最新の年金一覧表】厚生年金と国民年金はみんないくら受給してる?(出所・厚生労働省) 2024年は、この財政検証の年に当たります。 本記事では、2024年に予定される年金の財政検証について解説します。 厚生年金と国民年金の平均受給額の最新情報も紹介しますので、老後資金準備の参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金の財政検証とは
まず最初に、年金の財政検証の意味と直近の検証内容について解説します。 ●年金の財政検証は年金財政の現況及び見通しの確認 「年金の財政検証」とは、国民年金法第4条3項と厚生年金保険法第2条4項に定める「財政の現況及び見通し」のことです。 条文では、政府は少なくとも5年ごとに、保険料や国庫負担、給付に要する費用、その他の国民(厚生)年金事業の財政に係る収支について、その現況や財政均衡期間における見通し(財政の現況及び見通し)を作成しなければならない、としています。 年金の財政検証の目的は、長期的な年金財政の健全性を定期的に検証することによって、国民が老後も安心して生活できるように年金制度を見直すことです。 財政検証では年金財政の将来を予測し、その結果に基づいて年金制度を改正します。 ●2019年度の年金の財政検証 2019年に実施された年金の財政検証の結果は、経済成長と労働参加が進めば、将来的な所得代替率(※)は50%を確保できるというものでした。 2019年度の所得代替率61.7%からは大幅にダウンしますが、一定程度の年金が確保できると言えます。 ※現役男子の平均手取り収入額に対する夫婦2人の年金額の比率のことです。「所得代替率=(夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金)/現役男子の平均手取り収入額」で計算します。 2019年度の年金の財政検証の結果を基に、次の年金制度の改正が実施されました。 ・被用者保険の適用拡大 ・65歳未満の在職老齢年金の年金支給停止基準の見直し(28万円→47万円) ・繰下げ受給の上限年齢引上げ(70歳→75歳) など