「私の今年の1文字は『C』」小池都知事会見12月23日(全文2完)
東京都の小池百合子知事は23日午後、都庁で定例記者会見を行った。 ◇ ◇ 【動画】 東京都・小池知事が定例会見(2022年12月23日)
来年度予算での子育て施策の方向性を聞きたい
小池:大会に直接必要となるのが大会経費でありますけれども、最終報告は1兆4238億円となっております。この大会経費については、史上初の延期という極めて困難な状況の中で組織委員会、国、東京都の3者がそれぞれの役割を果たしながら対応を図ってきたものであります。大会の総経費との検査報告書との違いですけれども、こちらの件については国のほうにお尋ねいただきたいと存じます。そして共同実施事業などを含めまして、開催への都の支出につきましてはこれまでも何度も、これまでも振り返りながら決算を行ってきたところでございます。 記者:2点目に子育て施策についてお伺いしたいと思います。厚労省の人口動態統計の速報値などを勘案すると、今年の日本の出生数が80万人を割り込むという見通しがあります。これ以上の少子化を食い止めるためにも、行政の子育て施策というのは重要になってくるかと思いますが、昨日も各会派の予算要望の中では不妊治療のさらなる拡充だったり、第2子の保育無償化などのさまざまな要望があったかと思いますが、こうした要望を踏まえて来年度予算での子育て施策に関する方向性など、現時点でのお考えをお聞かせください。
印象に残っている今年の出来事を教えて
小池:私はかねてより、この子供の政策、また出産など、さらには女性に関しての政策を総合的に考え、そして取り組んでまいりました。そして状況は、例えば東京都の場合、いわゆる待機児童数が当初、2016年ですけれども8466人だったのが、今や待機児童数300人、もうこの待機児童という言葉を死語にしますと私は申し上げてきたのが、まさしく死語になりつつあるかと思います。 一方で、それではじゃあ子供の数は、絶対数どうなのかということになりますと、今は少子化、出生数が減少してきていると。その理由は幾つもの原因があろうかと思います。それは複合的だと思います。そういう中で、どうやって出生数を増やしていくかという、とても直裁的な言い方になりますけれども、それはまず子供を産み育てたいと希望している人に対してサポートをするというやり方、という方法があろうかと思います。 そういう中で、例えば産み育てやすい環境をつくるということから、例えば出産の応援であるとか経費、そして不妊治療については、これまでも東京都は先駆けて対応させていただいてきております。それからこのたび、卵子の凍結について、これまでのがん患者さんであるAYA世代の方々に対しての対応という点で進めてまいりましたけども、卵子の凍結の社会的適応ということについても考えていくということも1つの方法だと考えております。 いずれにしても、まず子供を望む人への支援についての具体的な提案を議会や各会派の要望の中にもございました。望む人が、誰もが子供を産み育てやすい環境を整えていけるように、来年度予算の編成も行っていきたいと考えています。 記者:最後に、今年最後の、本日が会見となりました。1年間、いろいろな出来事がおありだったかと思いますが、印象に残っている出来事をお教えください。 小池:あまりにも多過ぎて、一言では言い尽くせないんですけれども、やはり私にとっての衝撃だったのは、安倍さんがああいう形で亡くなられたということは、衝撃以上の衝撃でありました。とても残念に思っています。 それから世界を見回しますと、まずロシアのウクライナ侵略ということから、それに伴ってエネルギー情勢の逼迫、そして国際秩序がこれまで見たことのない状況が展開されてきたと。ずっと中東に関わってきた私とすれば、サウジアラビアとロシアが手を結んでいると。そしてまた、そこに中国が入っているという、これまでの絵図が大きく変わってきていること、これは見たことのない光景であります。