ロシア軍、ウクライナ東部の要衝クラホベを制圧か 攻防が激化
ロシアの侵攻を受けるウクライナが昨年8月に越境攻撃を開始した露西部クルスク州で5日、ウクライナ軍が新たな攻勢を始めたとロイター通信などが報じた。一方、タス通信によると、露軍は6日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝クラホベを制圧したと発表した。双方の攻防が激化している模様だ。 クルスク州の攻勢に関して、ロイターによると、ウクライナ政府傘下の「偽情報防止センター」のコバレンコ所長は、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナ軍が「複数の場所」で露軍を攻撃したと明かした。露軍にとっては予期しない攻撃だったとも述べた。 露国防省は5日、クルスク州西部で、戦車2台と装甲戦闘車両12台などによるウクライナ軍の攻撃を受けたが撃退したと主張。6日には、新たに制圧したとするクラホベについて、敵側の重要な物流拠点だったと戦果を強調した。 ウクライナはクルスク州で一時1300平方キロ超を制圧した。しかし、露軍の反転攻勢を受け、昨年12月中旬時点で占領地の約半分を奪還されたとされる。露軍は北朝鮮兵を投入して戦力を増強。ウクライナ軍も米国から供与された長射程ミサイルで攻撃するなど、激しい攻防が続く。 こうした中、ウクライナ軍は今月2日、クルスク州内の露軍司令部へ高精度の攻撃を実施したと発表。4日にはゼレンスキー大統領が、前日からの戦闘だけで露軍が「北朝鮮の歩兵大隊とロシアの空挺(くうてい)部隊」に匹敵する損害を出したと述べるなど、攻撃の強化を示唆していた。【ベルリン五十嵐朋子】