7日の尹大統領弾劾訴追案採決 ボイコットした韓国与党・国民の力、所属3議員が党決定に背いて投票
大統領弾劾訴追案は議決に必要な定足数である200人以上が投票に参加しない場合、「投票不成立」となり、開票せずに廃案となる。与党議員の大半が投票に参加しなかったことを受け、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は投票終了を宣言せずに待つ意向を明らかにした。 民主党議員らは国民の力が議員総会を開いている部屋を訪れ、入り口で国民の力議員らと大声でやり合った。国民の力は「民主党が投票を強要している」とし、「自由投票の意思を真っ向から否定するものだ」と主張。民主党議員らは記者会見を開き、「卑怯(ひきょう)な行動はやめろ」と国民の力を非難した。午後9時20分ごろ、禹議長は投票終了を宣言した。投票したのは300人のうち195人(野党192人と安哲秀、金睿智、金相旭の各議員)だった。 民主党議員らは国会内のロビーに出て、国民の力を糾弾する集会を行った。朴賛大院内代表は「内乱の首謀者、尹錫悦に対する弾劾訴追を直ちに再推進する。内乱事態を一日も早く終息させ、憲政秩序と民主主義を回復するために最後まで闘う」と述べた。 国民の力は議員全員の名義による声明を出し、投票ボイコットについて、「8年前に憲政史上初の大統領弾劾が残した物は、大韓民国の深刻な分裂と混乱だった。大統領弾劾による国政まひと憲政中断の悲劇を繰り返すことはできなかった」と主張した。その上で、「大きな衝撃と不安を経験した国民の皆さんに心より謝罪する」とし、「全ての過程に対する徹底した真相究明と共に、相応する法的措置が伴うことになる」と指摘した。 これに先立ち、同日午前10時、尹大統領は大統領室で国民への談話を発表。「非常戒厳を宣言する過程で国民に不安にさせ、不便をかけた」とし、「国民の皆さんに心よりおわびする」と述べた。「法的・政治的責任問題を回避しない」とも語った。尹大統領はまた、「自分の任期を含め、今後の政局安定方案は『我が党』に一任する」とし、「今後の国政運営は我が党と政府が共に責任を負い進めていく」と表明した。 前日に「尹大統領の早急な職務執行停止が必要だ」と発言していた国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は大統領の談話直後、国会で記者団に対し、「大統領の正常な職務遂行が不可能な状況だ」とし、「大統領の早期退陣は避けられない」と述べた。「即時弾劾訴追」から「早期退陣」へと韓代表の立場が微妙に変化したという観測が生まれ、結局弾劾訴追案の廃案へとつながった。 キム・ギョンピル記者