渡辺謙×高畑充希×寺島しのぶ×田中泯×森七菜×見上愛ら、吉沢亮×横浜流星『国宝』出演決定
2025年に公開される吉沢亮主演映画『国宝』の追加キャストとして、渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、森七菜、見上愛、永瀬正敏、宮澤エマ、黒川想矢、越山敬達、三浦貴大、嶋田久作の出演が発表された。 【写真】渡辺謙、高畑充希、森七菜らキャスト相関図 2017年から朝日新聞にて連載された吉田修一の同名小説を映画化する本作。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に青春を捧げ、芝居だけに生きてきた喜久雄の見果てぬ夢を追い求める壮大な物語だ。 監督を務めるのは、『悪人』『怒り』と吉田作品を映画化した経験を持つ李相日。脚本は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『コーヒーが冷めないうちに』などで知られる奥寺佐渡子が手がける。 新たに発表された新キャストは12名。主人公・喜久雄(吉沢亮)を引き取り育てる歌舞伎役者・花井半二郎役を渡辺が演じる。渡辺は「あまりにも壮絶で壮大な物語に『映像化は無理だ』と感じ、腰が浮くのを抑えながら、悩んだすえに決意を固めた」とコメントを寄せた。渡辺は李監督作品『許されざる者』『怒り』でともに主演を務め、本作が李組3度目の参加となり、主演の吉沢とは初共演となる。 喜久雄の幼なじみで恋人の春江役を演じるのは、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)で中宮・定子役を演じた高畑。吉沢と横浜について、「モニターを見た時、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。 元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの!? って。笑 私はお2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです」とコメントを寄せた。李監督とは『怒り』以来2度目のタッグとなり、主演の吉沢とは『アオハライド』以来10年ぶりの共演となる。 半二郎の妻で俊介の母・大垣幸子役を演じるのは寺島。自身も“人間国宝”の父を持つ寺島は、「吉沢亮さんと横浜流星さん、二人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています」とコメント。 喜久雄の人生に大きな影響を与える人間国宝・万菊役を田中が演じる。世界的なダンサーとして活躍する田中は、「数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります」と語った。 喜久雄を恋い慕う歌舞伎役者の娘・彰子役を演じるのは森。初共演となる吉沢については「青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場に佇む吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした」とコメントを寄せた。 喜久雄と京都の花街で出会い、人生を賭ける芸妓・藤駒役を演じるのは、NHK大河ドラマ『光る君へ』に中宮・彰子役で出演している見上。見上は、「日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習に勤しみました。こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います」と語った。 そのほか、喜久雄の父親で立花組組長の立花権五郎役を永瀬、喜久雄の継母であり、立花権五郎の後妻の立花マツ役を宮澤、喜久雄の少年時代を『怪物』で映画初出演した黒川、喜久雄の親友でライバルである俊介の少年時代をEBiDAN NEXTで活動する越山、喜久雄の才能を見込んで初舞台を用意する梅木役を嶋田、喜久雄とともに時代を生きる竹野役を三浦がそれぞれ演じる。なお三浦は、『許されざる者』『怒り』『流浪の月』に続く4度目の李組参加となる。 12名の新キャストからはコメントも到着した。 ■コメント ・渡辺謙(花井半二郎役) 吉田修一さんの『国宝』、出版されて直ぐに読ませて頂いた。役者の心の苦悩、歓喜、そして生き様が赤裸々に描かれていた。 ただあまりにも壮絶で壮大な人生は「こりゃ映像化は無理だ」とも感じていました。 しばらくして、盟友、李相日監督から連絡を貰うことになる。なんと挑戦したいとの事。 腰が浮くのを抑えながら、果たしてこの大作を支えられるか悩みました。 でも、これまで数々の難題を乗り越えて来た李監督を信じ、この素晴らしい作品に立ち向かう決意を固めました。 ・高畑充希(春江役) 本来は大きな空間で、全身で、浴びさせてもらうはずの歌舞伎の世界に、汗や涙も捉えられるような寄りの視点で没入する。モニターを見た時、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。 元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの?! って(笑)。私はお二人の一番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです。 そして何より、久々にまた李監督や李組の皆さんと一緒に撮影が出来て、本当に楽しかった! ・寺島しのぶ(大垣幸子役) 『国宝』という吉田修一さんの途轍もない大作に挑戦された李監督の思いを受け取り参加させて頂きました。今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています。 吉沢亮さんと横浜流星さん、二人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。 支えてくださる沢山の方の思いが結集されて、素敵な作品になっている事を切に願います。 ・田中泯(万菊役) 万菊さんという人になるために、カラダも心も習う毎日でした。初めてその姿になった時のことでした、数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。距離を縮めることのなかった歌舞伎世界の向こう側に、自分はカラダ毎さらわれたのでした。日々自分の声に不安になり、自分の姿に困惑し、一瞬でもいいから、否一寸でも長く先人の魂が自分の体に訪れ、遊んでほしい、と願ったものでした。万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります。そして終わってほしくなかった李相日監督の撮影の一コマ一コマが僕のオドリの稽古のようでした。贅沢しました。礼 ・森七菜(彰子役) はじめて一人で見に行った映画は李監督の映画でした。映画という豊かな時間を映画館で過ごすことの意味を知るという大切な一歩目を踏み出してから、ずっと憧れにしてきた李組に参加させていただけること、とても幸せに思います。 現場は緊張と衝撃の繰り返しの毎日で、喜久雄と俊介二人の人生がどれだけ壮大な舞台の上に成り立っているかを痛感しながら、青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場に佇む吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした。 情熱で溢れたこの作品がたくさんの人に届きますように願っております。 ・見上愛(藤駒役) 今回の作品に参加するにあたって、日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習に勤しみました。10代の役と30代の役をひとつの作品の中で演じるのは初めてのことで、かなり不安もありました。 ですが、カメラの前に立つ前に過ごしてきた時間や、吉沢さんや監督をはじめとする、周りの皆さんの集中力と誠実さにとても助けられました。 こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います。 ・黒川想矢(喜久雄の少年時代役) 初めて国宝のオーディションを受けた時から、僕は絶対に少年喜久雄を演りたいと思い、気づかぬうちにその薄っぺらい覚悟を李監督につらつらと述べていました。しかし撮影準備が進むにつれ、日本の古典芸能である歌舞伎を穢すことなく、少年喜久雄を演じきることへの重みを痛感し、押し潰されそうな日々が続きました。李監督や歌舞伎指導の先生からは演技に向き合う心のあり方を教えていただきました。そして諦めずに辛抱強く見守っていただき、前に進むための新しい心を授けてくださいました。僕にとって、撮影期間は1日1日が重く優しく美しい3ヶ月でした。たぶん僕だけでなく、多くのキャスト、スタッフの皆さんがもがき苦しんで生み出したであろう『国宝』の完成が、今となっては楽しみで仕方ありません! ・越山敬達(俊介の少年時代役) 今回、大垣俊介の幼少期を演じました、越山敬達です。李監督のもとでお芝居ができたこと、素晴らしい演者の皆さんと共演できたことをすごく光栄に思います。歌舞伎や大阪弁は初めての体験で難しく、俊介のことで悩むこともありましたが、僕は新しいチャレンジをするのが好きなので充実した時間を過ごすことができました。 そして監督やスタッフ、歌舞伎や方言指導の先生方、共演者の方々が最後まで支えてくださったおかげで、無事に撮影を終えることができました。 公開されましたら、是非劇場に足を運んでください。 ・永瀬正敏(立花権五郎役) 短い期間での李組初参加でしたが、李監督を中心にスタッフの皆さん、共演者の皆さんの熱く、そしてこだわり抜いた丁寧な現場に身を委ねることが出来て、貴重過ぎる日々を過ごせました。 その静かなる熱は、きっと観客の皆さんの心の中に深々と降り積もると信じています。 劇中劇、舞台に立たれた俳優の皆さんの、長い時をかけ磨かれた“魂の舞”はまさに必見です。 ・宮澤エマ(立花マツ役) 私の『国宝』との出会いは3年前、本屋で吸い寄せられるように手に取った吉田修一さんのサイン入りの文庫本でした。きっと映像化されるのではないか、李監督がメガホンを取るのかしらと当時妄想を膨らませていたので、マツ役でオファーを頂いた時はこんな事があるのかと信じられませんでした。 初めての李組の撮影は緊張と発見と苦悩と感動の日々で、短いながらも贅沢で貴重な時間でした。 錚々たるキャスト、スタッフと共にこの壮大な物語の幕開けの一員として参加できたことは心から光栄です。 ・三浦貴大(竹野役) 撮影現場は、まさに職人たちの集まりで、より良い作品を作ろうとする気概に満ちていました。それでいて軽やかさもあり、このような現場に身を置けたことを幸せに思います。 竹野という人物を演じる中で、ある意味俯瞰した立場で歌舞伎を、また二人の成長や葛藤を見ていましたが、私自身も素直にその場にいることで竹野の人物像と近づけるのではと思い、意識していました。 刺激的で、とても良い緊張感のある現場でした。 ・嶋田久作(梅木役) 李相日監督とは『69 sixty nine』以来21年ぶりでした。 頂いた「梅木」という人物は陽性で自分の「仁」にない役柄かとも思いましたが、久しぶりの監督との仕事。自分の狭い視野を離れて、唯唯、監督の意に沿う演技が出来ればとの思いで撮影に臨みました。今思うと、21年分の想いが空回りして力み過ぎの不味い芝居ばかりだった気がします。 ともあれ監督の「OK」は頂きました。 私は李監督の判断には絶対の信頼を置いています。
リアルサウンド編集部