邦人の海外渡航、コロナ前の半分 円安で割高感、回復弱く
日本人の海外渡航が振るわない。円安による割高感が影響しているとみられ、日本人の旅客数は新型コロナウイルス流行前の半分程度にとどまったままだ。国によっては既にコロナ前水準を上回っており、日本の回復の弱さが目立っている。 アジアを中心とした14カ国・地域で外国への旅客数を日本航空が調べたところ、2023年1~10月の累計を19年1~10月の実績と比べた「回復率」で、日本は最下位の47.0%だった。 トップはタイでコロナ前を超える103.7%、ベトナムが98.0%で続いた。インドや米国、韓国といった国も80%台まで戻った。 中国は日本に次ぐワースト2位で47.8%だったが、23年8月に日本や米国などへの団体旅行を約3年半ぶりに解禁。同年10月単月では72.4%に上昇し、足元では回復がうかがえる。 日本では23年5月に新型コロナが5類に移行したが、その後一時1ドル=150円程度まで円安ドル高が進んだ。外国の物価高もあり、日本人の海外旅行熱が高まらない状況が続いている。