「ベッセント氏の米財務長官指名」に「トランプ関税」…金融市場はどう反応したか【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
ただ、日本株などは2016年当時より総じて小動き、トランプ政権も2回目となり、冷静に対応中か
このように、足元の市場は、トランプ氏の閣僚人事や発言に対し、敏感に反応しやすい状態にあると思われます。ベッセント氏は財政規律を重視するという声も聞かれますが、次期トランプ政権の財務長官である以上、トランプ氏の政策を遂行すると考えるのが妥当であり、財政規律への期待は難しいとみています。また、関税引き上げも、相手に強い姿勢を示し譲歩を引き出すいつもの交渉術であり、実際は相応に時間をかけて行われる見通しです。 なお、日経平均などの動きについて、2016年の大統領選後と今回の大統領選後を比較すると、今回は2016年当時よりも総じて小幅な動きとなっていることがわかります(図表1)。やはり、トランプ政権も2回目ということで、市場には免疫ができており、2016年当時よりも冷静に状況を見守っている様子がうかがえます。また、日本株や円相場については、国内のいくつか重要な材料(図表2)も見極めている状況にあると思われます。 (2024年11月27日) ※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「ベッセント氏の米財務長官指名」に「トランプ関税」…金融市場はどう反応したか【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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