常翔学園、5大会ぶり4強 NO・8井本章介主将「めちゃくちゃ嫌なスクラムが組めている」5日は東海大大阪仰星と対決
第104回全国高校ラグビー準々決勝(3日、大分東明19-24常翔学園、花園Ⅰ)常翔学園(大阪第3)が12点ビハインドから大分東明に24-19で逆転勝ちを収め、2019年度以来、5大会ぶりの準決勝進出を決めた。 【写真】前半、トライを決める常翔学園・井本章介 前半21分に7ー19で逆転を許しながらも、後半に2トライを挙げて再逆転。常翔学園が伝家の宝刀・スクラムの威力を発揮して、サイズに勝る大分東明を打ち破った。 「スクラムは自分たちの一番の強み。ピンチのときにスクラムでペナルティーをもらえ、勝負の鍵を握った」 後半開始直後に1トライを挙げた主将のNO・8井本章介(3年)は誇らしげに振り返った。 後半9分にWTB正脇俊輔(3年)が逆転トライを決めて5点をリードした後、終盤は相手の猛攻に耐え、しのぎ切った。高校ではスクラムは安全面を考慮し1・5メートルまでしか押せないルールだが、何よりの武器にした。勝負どころのスクラムで何度も相手のペナルティーを誘い、試合の流れをつかんだ。 前校名の大工大高時代からのお家芸をしっかり継承。白木繁之監督は「毎日30分から1時間ぐらい行っている」と、これまで以上に丁寧に磨いてきた。井本はPR荒玉龍之介、佐々木大斗、HO矢富蓮(いずれも3年)を中心に組むスクラムの威力に胸を張る。 「相手からしたら、めちゃくちゃ嫌なスクラムが組めている。(最初の)ヒットで相手はどうすることもできず、逃げ場がなくそのままクシャっと崩れている」 99回大会以来、5大会ぶりの4強進出。5日の準決勝の相手は東海大大阪仰星(大阪第2)。狙うは92回大会後は遠ざかっている優勝だ。井本の父・和樹さん(46)は大工大高時代にSOとして4強入り。今大会直前の12月20日に自宅の父の部屋で小学校時代のジャージーを探していたところ、偶然に父が獲得したメダルを発見。「ほんまにかっこええな。これ持ってたら、一生自慢できる」とモチベーションを上げた。花園であと2回勝ち、父を超える。(上阪正人)