<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/8 投打高い潜在能力 阪上翔也投手兼中堅手(神戸国際大付・2年)
投打で豊かな素質を秘めている。右腕から最速145キロを投じ、打っては昨秋までに高校通算20本塁打を放った左のスラッガー。小深田(楽天)、平内(巨人)と過去2年連続でプロのドラフト1位を輩出した青木監督も「あとは試合で結果を残すだけ」と潜在能力を高く評価する。 5試合に登板した昨秋の公式戦では、計41回余りを投げて防御率0・65、57奪三振に与えた四死球は7個のみ。スライダーやスプリットも切れ、今大会の出場投手で指折りの好成績を残した。全国的知名度が高くないのは、兵庫大会では「背番号8」を背負って優勝したものの、エースナンバーに変わった近畿大会で1試合しか投げなかったため。近江(滋賀)との1回戦を2失点完投したが、続く準々決勝は右肘痛で登板を回避し、チームも京都国際に惜敗した。 身体能力が高く、伸びしろは大きい。遠投は120メートル超。中学時代は祖父が監督を務める硬式野球チームでプレーする傍ら、陸上の200メートル走でも県2位になった。近畿大会後は1カ月半ノースローだったが、その分、筋力トレーニングに注力し基礎体力を高めた。「肘は問題ない。トレーニングでより重い球を投げられるようになり、打撃でも強い打球が打てるようになった」と力を込める。 チームは5回目のセンバツだが、白星は4強入りした第77回大会(2005年)で挙げた3勝のみ。「投打どちらかではなく、どっちでも貢献したい」と意気込む。春の主役に躍り出そうな気配だ。【石川裕士】=つづく