カルトかハーレムか「イエスの方舟」の"真実"描いたドキュメンタリー映画公開 若き監督が"方舟の地元"で語る
「イエスの方舟」は1980年末に福岡市中洲でクラブ「シオンの娘」を開店します。生活費を稼がなければならない。女性は隣に座るのではなく、対面でカウンター越しに接客して、剣劇だったりタップダンスだったりショーを見せます。 1993年には福岡県古賀市に共同生活を送る教会を建設しましたが、2001年に「おっちゃん」こと千石剛賢さんが亡くなっています。妻のまさ子さんが教会での共同生活を引き継ぎました。中洲の店は老朽化し、いろいろ変転があって「シオンの娘」は現在、古賀市の駅前に移っています。 ■映画館に来ていた「シオンの娘」たち トークショーの客席に、「イエスの方舟」の女性12人も座っていて、私たちの話を聞いていました。私は彼女たちに質問したくなって、マイクを渡しました。千石剛賢さんとまさ子さんの娘、千石恵さんです。 千石恵さん:当時から、女性ばっかりがクローズアップされていましたけれども、たまたま千石剛賢の子供が全部娘だったので、当然友達も女の子になって、お友達もやっぱりいろんな悩みとかも抱えていて、話をしているうちに「一緒に聖書を勉強しましょう」と。ただ当時、プレハブみたいなところに住んでいたので、それで理解が得られなくって。普通のいわゆるカトリックとかプロテスタントとかきちっとした教会みたいな形を持っていれば、もう少し理解を得られたのかもしれませんけれども。一緒に聖書を勉強している男性もいます。でも、女性を取り上げた方がマスコミとしては面白いというか、世間が注目しやすいということで、あえてマスコミの方たちが女性ばっかりをクローズアップされたんじゃないかなと思っています。 神戸:共同生活には男性はいなかったけれど、聖書を学ぶ中には当時からいたということですか。 千石恵さん:そうです。もちろん。男性は男性、家族は家族、ご夫婦はご夫婦。で、教会では女性だけが住んでおります。あまりにもすごい誤解、一方的にいろんなことを作り上げて、私達は追われる形で「逃避行」と呼ばれてしまったんですけど、「ハーレム教団」とかいろいろ言われましたけど、実際父がいて母がいて娘がいて、そんなところでハーレムなんてあり得ないので、逆に「そういうことを考える方が非常にハレンチだな」と、私たちはその時ものすごく憤慨しておりました。 神戸:こういうトークショー、すごいと思いませんか?当事者の方がいらっしゃる福岡ならではですよ、すごいことですよね。