旧福知山鉄道館ポッポランド解体へ―老朽化、耐震に懸念あり 9月までに完了予定
京都府福知山市の新町商店街で、旧福知山鉄道館ポッポランドが入っていた建物が取り壊される。耐震上の懸念があるため、所有する京都銀行(安井幹也取締役頭取)が、9月までに解体する予定。跡地活用は未定としている。 建物は1931年の築造で、京都銀行が61年9月に旧三ツ丸百貨店から取得した。支店として16年間運用したあと、77年4月から2024年3月まで市に貸し出し、市文化資料館、新町文化センター、福知山鉄道館ポッポランドなどとして活用されてきた。 1階で1998年から開館したポッポランドには、休館までの20年間で30万4443人が訪れたほか、2006年から市文化協会が建物2階に事務所を置き、2階全体を新町文化センターとして市から指定管理を受けて、所属団体が絵画や短歌といった教室などを開き、多くの市民が集った。
施設の老朽化などを受けてポッポランドは18年に休館し、市文化協会は20年に和久市町の市上下水道部厚生棟へと移転した。ポッポランドの展示資料は、老朽化したジオラマといった設備は破棄することになった。一方で、まだ使えるミニチュア、貴重な資料などは、福知山城公園内に新設した福知山鉄道館フクレルに引き継がれている。市文化協会も必要な設備は全て移している。 京都銀行は「近隣のみなさまの思い出の詰まった建物と聞いており、活用を模索してきましたが、老朽化と耐震上の課題が大きく、安心、安全の確保を最優先に、解体することとしました。工事期間中はご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします」としている。 2月中旬から本格的な作業が始まる予定になっている。