闘病中も「キレイ」追求…がんで亡くなった42歳の美容外科医 ブログで明るく発信続け、最後は数時間かけて執筆
<闘病中でも、楽しく美しく美しく美しく♡笑>。そう自己紹介する人気ブログの筆者で滋賀県草津市在住の女性が今年1月、42歳の若さで亡くなった。美容クリニックの経営、4人の子の母、滋賀のサッカークラブのサポート…。病に苦しみながらも「キレイ」を追求し、明るく前向きに人生を楽しむ姿は多くの人に愛された。 【写真】脱毛の様子もブログで報告していた 女性は同市で生まれ育った居原田麗(いはらだれい)さん。京都市内の中高に通った後、滋賀医科大を経て美容外科医になった。 きっかけは、中学時代に顔のほくろをからかわれたこと。手術で除去すると、自己肯定感も高まった。同性の女性が自信につながるお手伝いをしたいと考え、選んだ道だった。 2011年、30歳で草津市内に「麗ビューティー皮フ科クリニック」を開業。私生活でも09年に結婚し、4人の子どもに恵まれた。だが20年3月、38歳の時に予期せぬ事態に直面する。
声を上げて泣いた
体調不良のため詳しく検査すると、子宮頸(けい)がんと分かった。それも極めてまれで進行の早い小細胞がん。別の患者は1年半で亡くなったことも知る。診療室を出て、夫の河原一賢さん(45)と声を上げて泣いた。 それでも、すぐに気持ちを切り替えた。小さな子どもたちを残して死ぬわけにはいかない―。子宮の全摘手術を受け、抗がん剤治療を始めた。 居原田さんにとって、「女医R~そんな女の独り言~」と題したブログは10年以上続くライフワークだった。病を得てからは手術や治療の内容を丁寧に説明するとともに、これまで通り、美容や身の回りのことも絵文字入りで軽やかにつづった。 <闘病中もきれいでいたい><たまにメイクをするだけで気分が上がる♡> 抗がん剤で髪が抜けた時は変化の様子を写真付きで載せ、ウィッグや帽子で着飾った。仕事に復帰すると20年12月に大阪府高槻市に新たなクリニックを開き、学会や旅行などへ精力的に出かけた。<いろんなこと、諦めずに、人生楽しみましょうね!!!>。沖縄ではウィッグ姿でダイビングにも挑戦した。