夫婦の「決定権」はどっちが握るべきか…自分の髪形にも夫のジャッジを求める妻が“絶対に譲らなかった”こと
夫婦は対等の立場。どちらが上で、どちらが下という階層はありません。しかし、私が運営する夫婦仲相談所には「妻が上から目線でものを言うのでイラッとする」「夫のモラハラ発言がチクチク胸に刺さる」、そして最近認知されてきた「夫が無言の圧力で自分の主張を通そうとする」という不機嫌ハラスメント、いわゆる“フキハラ”関係まで、フィフティ・フィフティではない夫婦関係の不満の声を多々耳にします。 【本音】生々しい…「妻が嫌い」な既婚男性134人に聞いた「理由」12個 私が必ず尋ねることは、「決定権はどちらが握っている?」です。もめるけれど、最後は妻の言う通りになって円満な場合はそれでOK。決定後にずっと「だから言っただろ」と文句を言うのは、夫婦間に亀裂が入る一要因なのでNG。決定権がどちらにあっても、「我も同意の上の決定だ」と腹落ちさせることができない夫婦は“黄色信号夫婦”となります。 日常は決定シーンの連続です。「牛乳を買うか、豆乳を買うか」「子どもの迎えは妻が行くか、夫が行くか」などなど。小さなことはさほど気にならなくても、車や家電など高価なものを購入するとき、夏休みの旅行先を決めるとき……そんな「二人で決めないと、後々もめそうな選択肢」が出てきたときはどうでしょうか。皆さんの家庭では、最後に決めるのは夫と妻のどちらなのか、決定後に文句を言うか言わないか……これらを見直してみてください。 興味深いアンケートとともに、「夫婦の主導権」について見ていきましょう。
「姉さん女房」夫婦は◯◯が高い!
明治安田生命保険が2019年、20~79歳の既婚男女を対象に実施した「いい夫婦の日」に関するアンケート調査の中に、「夫婦の主導権はどちらにあるか」という質問があります。 全体の主導権は、「妻」が66.3%と過半数を占めており、「夫」の14.5%を圧倒しています。結婚年数を比較すると、結婚1年目までは「夫」が約2割、「妻」が約6割であるものの、3年目からは「夫」が約1割、「妻」が約7割という結果に。結婚年数を重ねるとともに、夫婦の主導権は妻へと移行していくようです。 また興味深かったのが、「夫婦円満か」という問いに対して、「円満である」と回答した夫婦間の年齢差を見ると、「妻が年上」の夫婦は80.6%。「夫が年上」(75.4%)、「同年齢」(77.5%)と比較すると、「妻が年上」の円満度が最も高いのです。さらに、「妻の方が5歳以上年上」の夫婦は「円満である」との回答が9割近くを占めており、“姉さん女房”の夫婦は円満度が高いことがうかがえます。 「妻が年上」の夫婦について、その理由を見てみると、「よく会話をする」(75.2%)、「感謝の気持ちを忘れない」(64.9%)、「相手を尊重・信頼する」(59.2%)との回答の割合が高く、中でも「よく会話をする」は全体の平均より10ポイント近く高い結果です。“姉さん女房”夫婦は多くの会話の中で相手を尊重し、感謝の気持ちを伝える、よいコミュニケーションが取れているようです。 古いことわざで、「年上女房は金のわらじを履いてでも探せ」というのがあります。現代では年齢差別と眉をひそめられるので使われませんが、経験値が豊富なので、主導権を握っても角が立たないのでしょうか。