瀬戸内海はきれいになりすぎた?下水の排出規制を緩めて水産資源の回復へ~山口県環境審議会が最終案
KRY山口放送
瀬戸内海は水質改善が進み「きれいになりすぎた」という指摘があります。 山口県の審議会は、下水の排出規制を緩めて水産資源の回復を目指す計画の最終案を示しました。 これは、学識経験者などでつくる県環境審議会で示されたものです。 下水に含まれる窒素やリンは栄養塩類と呼ばれ、増えすぎると赤潮の原因となるため厳しく排出規制されている一方で 植物や藻類には必要な栄養です。 特に、養殖ノリは栄養塩類の減少による色落ちが課題となっているほか生産量は、年々減少し、最盛期に比べ100分の1以下となっています。 おととし改正された瀬戸内海法では、栄養塩類の排出規制一辺倒からきめ細かな管理への転換が示されたことから県の環境審議会は議論を重ねてきました。 示された最終案ではノリ養殖が盛んな宇部市の2つの下水処理場と民間の1つの工場で窒素とリンの排出量を管理しながら増やすとしています。 ノリの生産時期にあたる冬に排出量を上げ生育状況や水質のモニタリングを行うということです。 ただ、ノリ以外の水産資源は栄養塩類との科学的相関関係がはっきりしていないとしてほかの海域では行われない見通しです。 今後、環境省との調整などを経て計画が実施されることになります。