コンプレックスに感じていることはありますか? 耳かき専門店に訪れた顔面コンプレックスを持つ客の場合【漫画家インタビュー】
耳かき専門店での勤務経験を基にしたオリジナル漫画をSNSで発信する森民つかさ(@uouououoza1)さん。自己否定という“沼”に浸かってしまっている漫画家志望の主人公が耳かき専門店で働き始め、さまざまな想いを抱える客たちとの出会いを通じ、強すぎる自己否定感と向き合っていく姿を温かいタッチで描く。耳かき専門店の知られざる裏側とは。著者の森民さんに、第9話についてお話をうかがった。 【漫画】『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』を読む
漫画家志望だが賞は落選続き、アルバイトではミスの繰り返しで、自己否定の“沼”にどっぷりの主人公。そんな時、自分のペースで働けると思い応募した「耳かき専門店」で働くことになる。ある日、一見コワモテで不機嫌そうな客の担当になる。ビクビクしながら接客していると……。
友人に言ってもらえた気づかなかったこと
――コンプレックスを扱った内容には共感を覚えました。森民さんは何かコンプレックスに感じていることはありますか? めちゃくちゃたくさんありますが、しいて言うなら「考えすぎること」「人の顔色をうかがいながら行動してしまう」という性格ですね。この性格のせいで人間関係で損してしまうことが多く、直したいと考えていました。 人間が好きだけど人間が怖い、自己表現が好きだけどうまくできない、といった矛盾した気持ちを抱えながら日々過ごしていました。 ――コンプレックス克服のために取り組んだことは? 考えすぎて「人間恐怖症」のような状態になっていて、上手に人と会話ができませんでした。コミュニケーションを改善するため、会話の仕方を学ぶ本などを読んでトレーニングしました。 ――ちょっとした気づきで解消や改善につながる可能性を示唆した内容にほっこりしました。ご自身も同様の経験はありますか? 当時、友人に「森民の漫画はほっこりあたたかい気持ちになる」と言ってもらえたことがありました。その頃、自分の作品に自信がなかったので、そう言われて自分の作品の魅力に気が付き、そこを伸ばしていこうと決めて今に至ります。 自分が思っている以上に、作品に込めた意図や思いは読者に伝わらないこともあるので、得意なジャンルや表現を突き詰めないといけない、と改めて思わされた出来事でもありました。 やる気はあれど、自己否定感で苦労する自分との向き合い方を実体験ベースに描いた『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』。森民さんの耳かき専門店での奮闘ぶりと発見の日々をご覧いただきたい。