「頼れる人がいない」「やることが多すぎる」…仕事と子育ての両立を《無理せず》乗り切るアイデア【体験談&専門家対談】
【働く保護者の自己肯定感が低下?】 ベネッセ教育総合研究所が2023年度に実施した「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」では、0~6歳のお子さまをもつ男女にアンケートを実施。 子育てやキャリアについての悩みでは、女性は「自分のための自由な時間を確保するのが難しい」「子どもと長く一緒にいることで疲れることがある」、男性は「仕事や家庭のこと等、複数の役割を両立させるのが大変である」という悩みを挙げる人が多いということがわかりました。※ 男女ともに、子育てをがんばりたいと思いながらも、理想と現実のギャップに悩んでいることが調査結果から見て取れ、保護者のかたの自己肯定感低下が懸念されます。 ※「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」ベネッセ教育総合研究所( 2023年)より、夫婦いずれも正社員で働いている回答者のみを再集計し算出(調査人数:母親で、母親・父親共に正社員=543名、父親で、母親・父親共に正社員=1,425名)
仕事と子育ての両立、どう乗り越えていく?
「周りに比べてうまく両立できていない気がする」 「夫婦で話し合いができていない」 「頼れる人が身近にいなくて抱え込むしかない」 こうした両立の悩みは、ちょっとした考え方の切り替えや小さなアクションが、乗り越えるきっかけになる可能性も。 佐伯さんと渡邊さんのアドバイス、他の保護者のかたが実践している工夫を参考にしながら、できることから始めてみませんか? 【乗り越えメソッド1:仕事と子育ての両立イメージを再定義し「不要かもしれないこと」はやめてみる】 お二人が強調するのが、「家事・育児にカンペキを求めないこと」。 「すべてを100%こなすのは無理」という前提で、手放せるものがないかを検討し、試しながら負担を減らしていくのがよさそうです。 佐伯さん:たとえば子育てで、「ほかのママ友がやっているように、子どもにいろいろな体験をさせてあげなければ」と思うことってありますよね。 でもお子さま自身は、休みの日に家族でトランプをするだけでもすごく楽しいと感じるかもしれません。 私の娘は2歳で、まだ自分の気持ちを細かく説明はできませんが、表情を見れば「何を楽しいと感じているのか」は推測できます。すべてをやらなきゃと思うのではなく、家族が求めていることは継続しつつ、そこまで重要ではないことはやめてみる。 お子さまやパートナー、そして自分の気持ちを大切にしながら、料理や掃除などでも省略できそうなちょっとしたことをいったんやめてみてはどうでしょうか。 渡邊さん:子どもたちが小さかったころ、妻はよく「今日は食器洗いが終わったからよし!」などと小さな目標を決め、それができれば他のことをやらなくてもOKとして、達成感につなげていました。 やるべき家事が多いうえに毎日のタスクをガチッと固定すると疲れているときにつらいので、柔軟に1日のタスクを決めるのもアリだと思います。 (体験談) 平日は洗濯物をたたむのはやめて1箇所にまとめて置いておき、休日に家族みんなでやるようにしました。私もラクになったし、家族のコミュニケーションも増えて一石二鳥! (大阪府・あやさん 第1子は小学1年生)