「静かな休暇」「コーヒーバッジング」「ゴーストジョブ」など…2024年の働き方のトレンドを表すキーワード(海外)
静かなハイブリッド(Hushed Hybrid)
雇用主がリモートワークに対して規制を強化する中、一部の従業員たちはこっそり新しい働き方を模索し始めた。 そこに「静かなハイブリッド」が登場した。これは、従業員がRTOの規定を回避するため、オフィスに出勤することが求められている日に、上司の承認を得て自宅勤務を続ける方法である。 上司の立場では、従業員を満足させるため(または従業員を手放さないため)にこれに同意するかもしれない。また、命令を執行する経営陣よりも、彼らはその影響を受ける従業員とのつながりが個人的に深いこともあるだろう。もちろんRTOに反対する上司たちは、従業員への同情から柔軟に対応することもある。
コーヒーバッジング(Coffee Badging)
RTOを回避するもう一つの方法に、「コーヒーバッジング」がある。ただこれは、厳密に言うと、従業員はオフィスに戻る必要がある。 コーヒーバッジングとは、会社に行き、社員証やIDカード(バッジ)をカードリーダーにかざして出勤を記録し、コーヒーを飲み、オフィス内を少し歩き回ったりして時間を潰してから、その後、自宅に戻って実際の仕事の大部分を行うことをいう。
業績改善計画(PIP)
「業績改善計画(Performance improvement plans:PIP)」は、従業員が上司から指摘されたパフォーマンスの低い分野を改善するために設定された一連の目標のことを指す。これらの目標が、指定された期間内、通常は数ヶ月以内に達成されない場合、従業員は解雇されることになる。 PIPは2024年特有のものではないが、統計的には近年頻繁に行われるようになっている。企業が、公表せずに従業員の解雇や人員削減を行う中、2024年は再び注目を集める言葉となった。
静かな解雇(Quiet Firing)、サイレント・レイオフ(Silent Layoffs)、ステルス解雇(stealth sackings)
これらの言葉はちょっとずつ意味が違っている。 RTOの義務化やPIPの狭間で近年話題となった「静かな解雇」は、2024年も注目された。これは、上司や雇用主が正式に解雇を従業員に伝えることで発生する退職金などの会社の金銭的負担や会社の評判の悪影響を避けるため、従業員に不快な役割を与え、間接的に解雇に追い込むやり方である。 関連する表現に「サイレント・レイオフ」があり、企業の評判を守るために、解雇された者が退職することを外部に公にしないように頼む手法を指す。 「ステルス解雇」という言葉もある。これは軽微な違反を理由に従業員を解雇することを指す。フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は、オンラインフードデリバリーサービスのグラブハブ(GrubHub)で使える25ドル(約3875円)のクレジットで食べ物以外のアイテムを購入したことでメタ(Meta)が24人のスタッフを解雇した事例や、アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)が複数のオンライン研修コースを同時に視聴していた多数のスタッフを解雇した事例を挙げている。