入込数減の危機感に立ち向かう福井県あわら温泉、変革はデータ把握で「観光の見える化」から、若手経営者にエリアの取り組みを聞いてきた
データを軸に広域の取り組みを
あわら温泉でのオープンデータの活用は始まったばかり。そのデータを使った具体的なアクションはこれからの課題だ。八木氏は「データを基に、もっと広域に手を取り合っていく必要がある。さまざまなプレイヤーとどのように集まっていくのかが課題の一つになってくると思います」と話す。また、長期的にはデータを活用できる人材の育成もチャレンジとして挙げた。 旅館協同組合では、「ReBorn(リボーン)プロジェクト」という5か年計画で、「マーケティング戦略立案委員会」のほかに、「にぎわい創出」「地域との連携」「サステナブル」の4つの委員会が活動している。いずれも若い力が中心だ。 「北陸新幹線が開通するのは外部要因の一つにしか過ぎません」と八木氏。「この4つの委員会がデータを軸につながり、あわら温泉全体、そして福井県全体の観光の活性化に貢献していきたい」と先を見据えた。 今年元旦に発災した能登半島地震で、あわら温泉も影響を受けた。八木氏によると、ホテル八木の施設に被害は発生しておらず、通常通り営業を行っているが、発災後多くのキャンセルが発生したという。FTASのデータによると、あわら温泉全体の1月6日~8日の3連休の予約は、1月1日~5日との比較で23%減少した。 しかし、その後は週末を中心に予約は戻ってきている。八木氏は、石川県内の宿泊施設では営業が再開できないところが多いため、あわら温泉に流れてきている可能性が高いと推察している。 聞き手:トラベルボイス編集長 山岡薫 記事・取材:トラベルジャーナリスト 山田友樹
トラベルボイス編集部