能登に元気を!「クラブ・デュ・タスキドール」11人のフレンチシェフによる、能登半島地震チャリティービュッフェ
「クラブ・デュ・タスキドール」会長の上柿元シェフによる「牛肉の赤ワイン煮込み ポンムピュレ添え」。鹿児島県産の牛ホホ肉は、香味野菜や赤ワインなどを用いて3時間煮込んでいる。「ド直球です」とシェフ。ソースは深いコクを感じさせながら、赤ワインの酸味が心地よい。ポンムピュレ(マッシュポテト)には隠し味にカレー粉を加えていて、スパイシーな風味がほんのりと漂う
参加者の女性グループに話を聞くと「普段は行くことができない高級レストランの料理を実際にいただくことができて、本当に美味でした」「おいしいお料理をいただいて、被災地の支援に少しでも貢献できたのはうれしいです」とのこと。会場には筆者の知人男性も。曰く「こんなに質が高いビュッフェは初めての経験です。全種類をいただきましたが、フルコースをいただいている感覚だった」と、皆さんご満悦の様子だった。
大切なのは「継続、そして風化させないこと」
この日、会長である上柿元シェフにお話を伺った。 「震災直後は、被災地での炊き出しも考えたのですが。道路が寸断された地域などもあり、迷惑をおかけすることも考えられました。そこで、私たち「クラブ・デュ・タスキドール」では、シェフたちができる範囲で、できることをと考え、被災地支援イベントを実施することに」。今回のチャリティービュッフェでは、売上の25%を、能登半島地震の被災地へ寄付するという。
上柿元シェフは復興支援についてこうも話す。「一番怖いのは“風化”です。日本は災害がどこで起きてもおかしくないですし“明日は我が身”なのです。ですから、できる人ができる範囲で応援をし続け、お互い元気になることがとても大切です。そして半年後も、一年後も継続させることが重要なのです」 このチャリティービュッフェの後も「クラブ・デュ・タスキドール」では、能登・石川復興支援のチャリティーイベントを開き続けている。7月8日には「能登・石川復興応援チャリティーディナー」と題し、「クラブ・デュ・タスキドール」メンバーの6人のシェフたちによる美食の饗宴を、東京「京王プラザホテル」で開いた。その後の活動はぜひ、Instagramをご覧いただきたい。 「ご参加いただくお客様には食べて飲んで、笑顔になり、能登を応援していただきたい。おいしさが能登の活力に繋がるよう、タスキを繋げ続けます」と、上柿元シェフは締めくくってくれた。
文・撮影:船井香緒里