空き家を〝地域活性の財産〟に まちを再生させた3つのアイデア
コッペパン専門店開業
コッペパン専門店「ふわこっぺ水無瀬店」の店主、竹村孝清さんが同センターに開業したのは22年11月だ。1カ月あたりの来店者数は650~700人。リピーターを増やすため、SNSでの情報発信に余念がない。 店は商店街の中ほどにあり、多くの人に知ってもらわなければならない。最近、朝の1時間は人通りの多い駅前の場所を借り、販売を始めたのもそのためだ。いずれデリバリーにも挑戦したいと考えている。
にぎわい、町が後押し
同町には五つの商店街があったが、24年には三つに減ってしまった。同町のにぎわい創造課が「商店街サミット」を始めたのは18年。毎月1回、店舗関係者やまちづくりに興味のある人で情報交換している。 綿島さんもこのサミットに参加し、イベントの集客法について話をした。同課の佐藤成一課長は「他地域から来て新しいビジネススタイルを貫く綿島さんが刺激をくれる」と話す。 最近では、島本町に興味を持った人がサミットに参加して知り合いをつくり、開業するケースもある。「商店街のキーマンは新規事業者も育む。今後もその活動に期待している」(佐藤課長)
住民主導で、街づくり
島本町ににぎわいを生み出すために、島本町商工会が中心となり14年に「しまもと・にぎわい地域活性化交流会」が立ち上がり、情報発信としてフェイスブックページ「しまもと・にぎわい・ねっと」が誕生した。同町で3代続く長井工務店の長井正広社長は、当初から活動に参加し、地域活性化に尽力してきた。 その長井社長が島本センターの話を耳にするようになったのは22年の春ごろ。にぎわいに乏しかった商店街で、京都から来た若者が、新しいことを始めているという。それが綿島さんだった。 「皆がそれぞれ、これまでと違うやり方で、消費者やテナントを呼び寄せている。こうした人が増えれば、町のにぎわいにつながるかもしれない」(長井社長)
生の話を聴ける賃貸住宅フェア
社会問題化する空き家に関して「空き家活用ビジネス」と「まちづくり事業」をテーマにした複数のセミナーが聞ける「賃貸住宅フェア2024 in 大阪」が12月5、6の両日、大阪市住之江区南港北のインテックス大阪4・5号館で開かれる。主催は全国賃貸住宅新聞社で、大阪府や大阪市、近畿経済産業局、大阪観光局が後援。 来場には事前予約が必要で、インターネットから「賃貸住宅フェア 大阪」で検索し申し込む。入場は無料。